ついに始まってしまった謎のハウスシェア1日目。俺は健康的にも朝早く起きたのだが、泊まったはずのシスコン重度患者はすでにいなかった。こんな早くからどこ行ったんだと思いつつ携帯を開けば、なんと奴からのメールが4件







第8話
ペイシェンス、求む








1通目
“おはー バイトだから早起きしちゃいました!俺偉ーい(^O^)というわけで行ってきます”


2通目
“なんか人身事故で電車止まってんだけど訳分かんなくね?なんで朝から飛び込んでんだし。バイト遅刻!”


3通目
“昨日の火サス撮った?”


4通目
“ヽ(`Д´)ノ”



…何がしたいんだろう
訳わかんねーのはお前だ、俺以外に友達いねーのかよ


1通目は要件だから分かる。2通目もまあやることなくてメール送ってみようみたいな感じなのは分かる。なんだ3通目。撮ってねーよ火サスなんか。つーか火サス?大学生が火サス?どこの主婦だし。や、確かに火サスは面白いけどそうじゃなくて!4通目とかもう理解できねえ。何でだよ何で絵文字オンリーなんだよ何で怒ってんだよ話しの繋がりが見えねえ訳わかんねー



「腹減った……」



今日から母さんがいないから飯は自分でつくらにゃならん。激しくめんどくさい。あ、そういやリンは?



「………」



2階に戻って、ノックもせずにあいつの部屋(姉貴の部屋)に入った。そしてあるまじき光景。何こいつ、俺に対して警戒心とかないわけ?ないか、あっても困る

大の字でよだれ垂らしながら爆睡してる奴襲う気にもならないがしかし、腹が。腹がチラリズムしてやがる。そのチラ見せは何なんだ、絶対領域か!



バタン
部屋から出てドアを閉める。心拍数が上がった。何故だ。腹チラに反応したのか俺。チラリズムがそんなに良かったか俺。チラリズムフェチだったのか俺。え、ただの変態じゃん

とりあえず呼吸を整え、意を決して部屋に入り直す。





「おいリン起きろ、そして俺に朝飯作れ」

「…母ちゃん今日は学校休みだって何回も言ったっしょ」

「残念だが俺は母ちゃんじゃねえ」



まったく目を開けようとしないもんだから、俺はリンの布団をひっぺがえしてやった。もちろん狼狽の元凶となった腹の部分は見ないようにして、だ。ははは、ざまあみろ!早く寒くなって起きればいい!ていうか早く起きてくれ!



「くそっ…誰だあたしの布団を剥ぎ取った奴は!」

「俺ん家の布団だ!」

「曲者ォォォオオ!!」



腹チラ女は強制的に起こされたのが相当気に入らなかったらしく、俺に枕を投げてきやがった。地味に顔面くらった。鼻が痛い。



「おまっ、枕投げんじゃねぇええ!」

「うっせー何で海斗がうちにいるんだぁああ!」

「ここは俺ん家だバカヤロー!!」



それから修学旅行の夜のような枕投げ戦争が終わったのは午前10時、酷く寝起きの悪いリンがやっとこさ覚醒してからだった



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