目の前に広がった謎の光景に、唖然とするしかなかった







14.5








「ユーラさん、これは一体なんだろう」

「洋服」

「なんで俺に差し出すのかな」

「あんたが着るから」

「俺の性別知ってるかな」

「男」

「よしさようなら」

「待て」



待て、と笑顔で腕を捕まれたら待つしかない。なんたってユーラの笑顔だからね!ははは!青春チックなときめきならどれだけ良かっただろうか、生憎俺の心に宿ったのは恐怖ただひとつだ



「何かな、新手のいじめかな」

「これ着て任務行ってね!」

「児童相談所に電話してくる」



きっと俺は何かしたんだ。ユーラに何かしらの不快感を与えたんだ。だから仕返しにこんな悪事を働かせてるんだ。そうか、俺が悪いんだな



「ちなみに女装してる時はあくまでただの女の子だから時の能力は使わないでね」

「あれ、決定事項?」

「服何色にしようかー」

「やだやだ、スカートとかやだ、待ってピンクはやめようピンクだけは」

「じゃ緑、ほら早く着て」

「え、ちょっ」

「脱がすよ」

「わわわかった自分で着るから!ね!」



更衣室にぶち込まれ、着ないなら脱がすと(女の子に)脅され、諦めてかわいらしい服を着て外に出た。よう分からんがいざとなったら逃げればいい。あれれ、なんか椅子が用意されてる。座れということか



「髪の毛はありがたいことに地毛使えるからばれないね」

「おわ、ちょっ」

「つけまつげやる?や、めんどいからいいか」

「え、まっ」

「あ、眉毛書かないと」

「え、え、」

「っし、どうだ」

「……あれ、これ意外といけんじゃね?俺」



鏡に移るのは俺、の女バージョン。かわいい。俺かわいい。化粧ってこんなに人かわるのか…!え、俺めっちゃかわいくね?



「というわけで今日はこの格好でいってらっしゃい!」

「はあああああ!?」

「前々から思ってたんだけどね、あんた女顔じゃん」

「中性的な顔って言ってほしいな」

「だからどこまでリューネの女装が通用するかテストしようと」

「何そのいらん試み!」

「じゃーん!七色わたあめプレミアム」

「喜んでお引き受けします」



というような経緯で、めったに手に入らない七色わたあめプレミアムにつられた俺は女装で任務へと就くことになったわけだ。意外にちゃんと女の子に見えてたりして、後半はなかなかに乗り気だったことは内緒の方向で。

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