サイと仲がいいのかと聞かれれば、勿論全力で否定する。好きなところをあげるのは至難の技だけど(つーか無いし)、嫌いなところを言ってみろと言われたら探すまでもなく大量に出てくると思う。女癖悪いし、可哀想な髪の毛だし、細マッチョだし、関西方言的なものと標準語がごっちゃに使われてるし、どっちかにしろよ!っていうね。つまりこの関係性は仲がいいとか悪いとか、もはやそういう次元じゃないわけだ。 「はん、そう」 「聞いてきたくせになんで興味なさそうなの」 「何となく聞いてみただけだわい」 「ねえおばちゃん、今日こそ掃除するって言ってなかった?」 「おばちゃんちょっと腹痛」 「手に持ってるアイスは何」 「え?これアイスじゃねんべ、あれ、下痢止め」 「嘘つけえええ!!」 今日も掃除屋のおばちゃんは掃除をしない 食堂の長いテーブルに敷かれているテーブルクロスにカビが見えるのは気のせいなんかじゃない。なんでこんな大量発生してるかっていうと、さっきも言ったように掃除のおばちゃんとか掃除のおじちゃんとかが掃除を一切しないからだ。これで給料もらってんだから、全くもってここのシステムが分からない。代わりに俺らの給料上げてほしい、誰よりも体張って仕事してんだからさーあー 「カビ生えてるよ」 「ん」 「取り替えないの?」 「カビだって一生懸命生きてんだい!」 「逆ギレ!」 そういえばおばちゃんは昨日も結局アイスしか食べてなかった気がする。完全に給料猫ばばじゃんよ。おばちゃん掃除してるの見たことないよ、ていうかアイスしか食べてないよ、もうただのアイスのおばちゃん!しかも自腹じゃないよねそれ! 「窓とかさ、拭こうよ」 「リューネ拭いてきいよ」 「職務放棄ー」 「ったく年寄りにやらせるとはなっとらんねえ」 「タバコふかしながらアイス食ってる年寄りに言われたくないですー」 掃除と言えば、この前掃除のおじちゃんがコロコロで窓を拭いて窓ガラスをベタベタにした事件なら聞いた。コロコロで窓拭くってどんな発想?あれ使えばどんなゴミも取れると思ってるのだろうか。あれ、ここの掃除屋ってもしかしてすごく使えないんじゃないの 「あ、これ美味いわ。リューネもう一本買っ「あああそれ俺のBIGあずきバー!!とっといたのにー!」 今日も掃除屋のおばちゃんは掃除をしない |