私の部屋に着いて一緒にベッドに腰掛ける
沈黙が今はとても重く感じる
いつから私はこんなに上手く言葉に出来なくなっていただろうか




「……痛むのか?」

『……うん。まだ体重かけると転びそうになる。』

「……なんで俺に言わねーの?そんなに痛いのに。辛くて、心細かったろ?名前の事だから我慢して泣いてたんじゃないのか?」

『……っ。うぅっ……。こっ……光太郎うぅぅぇぇぇっ』

「うわぁぁ!そ、そんなに泣くなよー。ほら、これ。タオル使っていいから、な?」


そう言って私の背中をずっとポンポンしてくれていた

ほんとこの手は私の不安を全部全部吸ってくれる魔法の手だと思う

安心したらちょっとだけ欲が出てきた



『……ねぇ、光太郎?……ぎゅーってして?』

「しょーがねーなー。ほい!」

『……んーっ!やっぱここが一番落ち着く』

「はーっはっはー!そうだろー?……で?なんか俺に言いたいことあるんじゃねーの?ちゃんと聞くから話してみ?」

『……ほんっとなんかこういう時っていっつもあたしの考えてることすぐわかるんだから。なんか腹立つ(笑』

「あったりまえだろー!顔みたらすぐわかる!なんたって俺は最強の彼氏だからなっ!」

『はいはい。ほんとそうだよね。ふう……。
あのね、』


それから私は部活で怪我をしたこと

それでとても不安になっていてうちにとじこもっていたこと

それら全てを打ち明けることが出来ずにいた事も全部話した

『……たくさん心配かけてごめんね。あんまりこんな話好きじゃないでしょ?』

「……。俺の方こそごめん!」

『……え?なんで光太郎があやまるの?あたしが……』

「……もうそうやってあたしがって強がんな!そんなにつらくなるまで我慢すんな!俺、まだ頼りないかもしれないけど、ちゃんと支えられるようにもっともっと頑張る!怪我してるあいだはうまく歩けないだろうから歩けるようになるまで一緒に練習して、また部活できるように手伝う!だからもうそんな悲しい顔すんなよ。また名前が飛んでるところみたいからな。」

『……うん。ありがとう。あたし、頑張るよ。よしっ!気合い入った!!あ、でもあたしのことばっかじゃなくて自分のこともちゃんとやるんだよ!勉強とかっ。』

「そ、それはいまはいいだろっ。もーっ。こんにゃろっ」

『わーっ、髪ぐしゃぐしゃになっちゃうからやーめーてーっ』

「うん。やっぱ笑ってた方がかわいいな。」

『……っ。不意打ちのちゅーはずるい』

「……じゃ、もっかい」












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