初めて学校を休んでしまった罪悪感で悶々とする中、携帯からメッセージが来たことを知らせる効果音がなりふと我に返る。

赤葦くんから。何かあったのだろうか?
……多分光太郎についてだろう。


“風邪だってきいたけど大丈夫?木兎さんが心配してたよ。何かあった?”

“そっか。光太郎またしょぼくれてる?流石に連絡しなかったのはまずかったよね。ちょっと色々あってね。赤葦くんも心配してくれてありがとう。明日には学校行くから平気だよ。だから大丈夫。”

“ほんとは大丈夫じゃないんでしょ?何があったのかはわからないけど、俺に言えないなら木兎さんにはちゃんと言った方がいいよ。部活終わったら向かわせるから。ちゃんと話してください。”

“え!まじで!……心の準備ができてないんですが。”

“何言ってるの?まだ放課後まで時間あるからおちつけるよね?”

“善処します。”



そう送ってちょうど昼休みが終わる時間になっていた。






ふと出会った頃のことを思い出し、懐かしく思いながらもう3ヶ月も経ったんだなぁと天井に向かって手を伸ばしてみた。


私を呼ぶ声

撫でてくれる大きな手

部活のことを話しながら歩く大きな背中

抱きしめてくれるたくましい腕

恥ずかしいと言って真っ赤になっていたけれど、キスをしてくれるいつも優しい唇






何よりバレーに真っ直ぐに打ち込む真剣な眼差しに私は心から惚れ込んだのだ





色々思い出したら涙が出てきた。
まずい。これからうちに来るというのに。






けれど嫌でも目に入ってしまう、部屋に置いてある松葉杖に目を移し益々涙があふれ、たまらなくなった。







あぁやっぱり会いたいな





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