※転生パロ
※作兵衛たちとは違う学校





高校へ入学して2ヶ月が経った。
新しい制服を着てあの頃の様に萌黄色のネクタイをつけて通う学校。
どこから見ても進学校だと分かるような綺麗な校舎ときっちり着ている制服。

「遊びに行かないか!」

……全員が全員、勉強大好きな訳ではないけれど。
目の前で遊ぼう遊ぼうと喚く幼なじみを一瞥しつつ、僕は物思いに耽った。



僕、伊賀崎孫兵には前世の記憶、のようなものがある。
室町後期にとある山奥の忍術学園に通ってた忍者。学生のころは忍たま、と呼ばれる存在だった。
目の前の幼なじみも、その頃の僕がとりわけ仲の良かった五人の内の一人。それが現代では赤ん坊の時からの幼なじみになってると、物心ついたときに一人笑った。けど、その幼なじみには記憶はないようで。
昔からそれらしいことを言ってはみてるけど全く反応しない。嘘がつけるような子じゃないから、本当に記憶がないんだ。
その事実に気付いた時は凄く寂しかったけど、慣れた今となっては気にしてない。だって記憶があろうがなかろうが、この子がこの子なことに変わりはないのだから。

「い、…孫兵!聞いてるか?!」
「っと、ごめん、何?」

神崎左門。
現代になっても、迷子癖は治らなかったようだ。ついでに持ち前の決断力も変わっちゃいない。
どうしようもない迷子癖は幼なじみの僕が面倒をみている。だって左門の保護者は、未だに出会えてないのだから。まぁ会えたところできっと彼も記憶を持たないのだろうと期待もしてないけど。

「藤内がな、一高の幼なじみに会うから一緒に遊ばないかって言ってきたんだ」
「あの浦風が?珍しいこともあるな」

迷子の保護者とは会えてないけど、プチ不運の浦風藤内とは会えた。高校が一緒だったんだ。僕とはクラスが違うけど、左門と同じで左門が連れて来てくれた。

「なんでも藤内の幼なじみからの誘いらしいぞ!行こう孫兵!」

藤内の幼なじみ。期待しない訳じゃない。だって僕の幼なじみが左門なんだから。脳裏に浮かぶのは優しい不運の彼。

「あぁ、いいよ」






心優しい彼の友人達に再会するのは、もうすぐ。



「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -