変な奴がいた。
入学式の日、HRが終わった途端に俺のクラスに飛び込んできた。そんで俺の名前を呼んで、まるで睨みつけるように俺を見たあいつ。

『誰、あんた』

けして悪気があって言ったわけじゃない。仕方ないだろ、ホントに誰だか分からないんだから。でもそれを言ってからすぐに後悔した。目の前の奴の顔がどんどん歪んで行くんだ。真っ青になって今にも倒れそうで、それは言っちゃいけないことだったんだと直感で理解した。だから謝ろうとした。なのに手を払いのけられてしまう。そいつはますます顔を歪めて。

『さんの…すけ』

泣くんだ。悔しそうに。
呼ばれたその声に、身体がカッと熱くなった。懐かしい、そう思えた。初めて会ったのに。こいつのことなんにも知らないのに。でも思ったんだ。
俺が口を開く前にそいつは走り去ってしまった。呆然としてた俺は追い掛けることはできなかった。
でも決めた。明日になったらあいつのクラスを見付けてあいつに言うんだ。





『友達になろう!』


俺達ならすぐになれるよな!




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