小説 | ナノ

さてここで質問。
君達のなかで、一番危険な人物は誰だと思いますか。

Ａ．富松作兵衛
「あぁ？んなもん迷子どもに決まってるだろ。どこ行ったか分かんねぇし怪我してたら危ねぇ」

Ａ．浦風藤内
「危険…？伊賀崎じゃないか？あいつのペットは毒虫だし」

Ａ．神崎左門
「作兵衛だ！私たちのことを迷子と怒るが作兵衛も大概思考の迷子だろう。あと鈍すぎる！」

Ａ．伊賀崎孫兵
「浦風。毎日毎日予習と称して学園中破壊するしそのせいで富松が五月蝿い。この前飼育小屋壊されたんだが」

Ａ．三反田数馬
「次屋かな。無駄に力あるくせに無自覚。何よりも作兵衛にベタベタしてるのは危ないだろ？」

Ａ．次屋三之助
「三反田数馬。不運委員とか言いながら何考えてるか分かんないから不気味。あと何かと作兵衛に頼るのはヤダ」

「作兵衛。あんまり数馬構っちゃダメだ」
「あ？なんでだよ」
「あいつはダメ」
「だから何が！つーか数馬が落ちた穴誰が埋めると思ってんだよ。そもそも先輩にすら忘れられる数馬を誰が穴から引きずり出すんだ」
「それがダメなんだよ作兵衛」
「だからっ」
「あいつは羊の皮被った狼だから。作兵衛が食べられちゃうよ」

「作兵衛」
「ん？ほらそっちの腕も」
「ありがと。それでね、あんまり次屋とは一緒にいないほうがいい」
「よっ…と、なんで」
「んー、あいつは獣だからね。油断させて獲物を捕らえるのは得意なんだ」
「？意味分かんねぇ。こないだ三之助にも言われたぞ。あんまお前に構うなって」
「…………へぇ」
「なんだ？お前ら喧嘩でもしてんのか？」
「いいや。大丈夫だよ安心して」

「「（あいつが作兵衛を狙ってるから、なんて言えるわけないだろ）」」

20100529