※現パロ
※作兵衛は前世(室町)の記憶あり
※「やっと会えた」の続き



「…誰、あんた」

目の前にいるのは三之助だ。次屋三之助、迷子うちのの一人。俺の、親友。
『…誰、あんた』
三之助から発っせられた言葉に耳を疑った。誰。そう言われた。分からないのか?お前には俺が分からないのか。お前には記憶はないのか!嘘だ嘘だ嘘だ…っ!

「…なぁ、聞いてる?」
「………っ」
「大丈夫かよ、顔真っ青だぞ?」

青ざめて立ち尽くす俺に三之助が手を伸ばした。その手が俺に届く前に、思わずその手を弾いてしまう。

「っつー」
「あ……わる、…っ」

目の前で叩かれた手をひらひらと振る三之助を見て、悪い、と掠れた声で小さく謝罪した。でも俺の頭には何故、の文字しかなくて、まともな反応なんかできなくて。
やっぱり違ったのか。こいつは三之助じゃないのか。そんなことはない。だってこいつだって俺の本能が叫んでる。こいつは次屋三之助だって。あの次屋三之助だって!
じゃあなんで俺の本能ことが分からないんだ。あれは俺の妄想の産物だったのか?こんなに懐かしいのに、こんなに会いたかったのに!目頭が熱くなるのが分かった。ダメだ、堪えきれない。

「お、おい…何で泣くんだよ。普通逆じゃね?叩かれたの俺だし。まぁそんな痛くないけど」
「さんの…すけ」

三之助は急に泣き出した俺にオロオロしてる。そりゃそうだ、知らない奴が目の前で泣き出すんだもんな。
頭では冷静に考える俺だったが、これ以上三之助の前にいるのが辛くて、何も言わずにその場から逃げるように走り去った。







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