※現パロ
※作兵衛は前世(室町)の記憶持ち
「不安に震える僕」の続き





前世という名の夢を見るようになって15年経った。
そう、生まれたときからなんだ。生まれたときからずっと、俺はこの夢に惑わされてきたんだ。
小さい頃は夢と現実の区別が出来なくて周りを困らせた。「忍術学園なんてない」「今は平成で、戦なんか起きてない」「気味が悪いぞ?」何度も何度も言われた台詞。小学校にあがる頃には、漸く自分の記憶に残るそれが夢であり何となく前世、と言うものではないのかと思うようになっていた。
確証がないのは怖い。あの時代を嘘だと思うのは辛い。なんで誰にも会えないんだ。




気付けば高校の入学式だった。
俺は家から自転車で通えて尚且つ自分の成績で楽に入れる学校を選んだ。自分で言うのもなんだが、そこまで成績が悪い訳じゃない(言うなれば中の上、あたりだ)。

「(入学式たる…)」

あわよくばサボりたかった。が、流石に入学式からサボるのはいただけない。それくらい分かってる。
長ったらしい教師の話を聞いて、新入生の名前が一人一人読み上げられる。呼ばれた新入生は返事をして立ち上がる。一クラス分立ち上がったら一斉に着席。俺は二組だったから意外と早く終わった。後は残りの100何人が呼ばれ終わるのをひたすら待つだけ。
退屈すぎる。

「(そう言えば、15って六年の歳だったなぁ…)」

ふと過った思考。いつの間にかそんな歳になってた。誰も見つからないまま。

「(結構つれえなぁ…)」

こうして物思いに耽っていると時々無性に泣きたくなる。なんで俺にはこんな記憶があるんだ、なんで誰に見つからないんだ。
そんなこと考えているとふと聞こえた名前。

「三反田数馬」
「はい」
「!?」

さんたんだ、かずま。
そう聞こえた。聞き間違い?それとも同姓同名の他人か。まさかまさかまさか。数馬?あの数馬なのか?
聞こえてきた名前に動揺していた俺に追い討ちをかけるように呼ばれる名前。

「次屋三之助」
「はい」

三之助。もしかして、そんな。数馬と三之助?偶然か、それとも本当に本人なのか。
点呼が終わって校歌を聞いて、また教師の長ったらしい話を聞いて入学式を終えて、体育館を出た俺はすぐさま掲示したままの新入生名簿へ向かった。三反田と呼ばれてたのは四組、次屋は五組。上から順に何度も何度も確かめる。その度に見つける『三反田数馬』と『次屋三之助』の字。

「数馬…三之助…」










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