帽子屋の独り言
狂いゆく世界の中で
狂わないものが一つある
正確を刻む金時計
彼の作った金時計
なにかを作る楽しさを私に伝えた彼は
なにかを捜す苦しさを彼女に伝えた
彼女は捜すことを止めここにいる
私は作ることを選んでここにいる
金時計の鎖に囚われた私と彼女
金時計の鎖で首を括った彼は
時間をとめたまま
そのままの姿でそこにある
だから私は 彼の『時』の番人
例え彼女にさえ
彼の『時』を奪わせはしない
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