表裏の紫 ( 1 / 3 )
清々しい朝がやってきました。
俺は今から朝練、学食で朝飯を頬張ったのち、体育館へ繰り出します。
「…最近、楽しそうだね?」
その為に、いそいそと練習着をカバンに詰めていた時、唐突に、寝起きのルームメートは言った。
彼、ハルくんは眠そうな目をして、ニヤリと口角を上げる。
「え、そう?」
「…うん、なんか…違う。」
ハルくんの言葉にドキリとしながらも、ソコはサラリと流す。
教材室で先生とちゅーしてから、たびたび世間話をしたり、たまには人目を忍んでちゅーもしてみたり、それなりのオツキアイをさせて頂いております。
俺のゴキゲンの理由は、もちろんコレ。
だけど、ハルくんには言ってない。翔にも言ってない。誰にも、言ってない。
…てか、言えないよね?フツー。
ケンゼンな高校生男子が、オッサンとあれやこれやしてます(ちゅーしかしてないけど)なんて。
「でも、GWの合宿はスゲー楽しみ!」
なので、上手く話を反らせないかと、部活の話に持ち込む。
事実、来るバスケ部GW合宿も楽しみで仕方ないので、あながちウソではない。
「…へぇ…頑張るねぇ…」
「バスケは良いよ!うん!」
勉強道具よりも部活道具の方が割合を占めてるカバンを勢いよく背負って、部屋を飛びだす。
「じゃ、先行くね」
「はいよー…いてら…」
…入学してから1か月弱、俺の高校生活は順調そのものだった。
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