命を削る行為







こういう仕事をしていると、頻繁に命を狙われたり、思うようなオフがとれなかったり、気に入っていたジャケットが血の臭いにまみれたり、デメリットは数えきれない。
じゃあどうして、一見良いこと無しのこの職に就いたのかと訊かれれば、答えは3つ。

一つは報酬。普通の仕事と比べ基本給からして桁外れ、プラス、難易度に応じてさらに報酬が増える。そんなんだから、俺の貯金なんかあっという間に、いわゆる"一生遊んで暮らせる"額になってる。貯金なんかする質じゃないのに、使っても使っても減らないから不思議だ。
一つはこの職が純粋に楽しい。身体しか取り柄がない俺が就ける仕事なんていったらこんなモンしかないからと仕方なく決めたのだったが、我ながら天職だと思う。汚い血を浴びて、ただ銃ぶっ放したり、刀振り回したり、そんなアブナイ場所で自分は生きている、っていう自己陶酔に病み付きになってる自分は、相当イカレてる。

そして、最後の一つ。



「っ、し、ッあ…げ、さん…ッ…は、あ…んうッ!…っも、むりィ…」
「何、言ってんだよ…、まだまだ、これからだ…っての」
「ちょ…、あ、あああッ!」


仕事明けのセックスは、格別、だ。



左手小指の生




仕事のせいで長期間会わないってのは当たり前、しかし期間が空けば空く程に、再会の喜びってヤツは大きくなるモンだ。
だけど顔をあわせるだけじゃ満足できなくて、唇だけじゃ足りなくて、俺たちはまた身体を重ねる。

「…まも、」
「あッ、あ、しげ、さん…っ!も、ああ、ッ…イッちゃ…う…っ!」

蕩けた瞳から流れる涙、赤すぎるくらいに染まった頬、俺のをキツく締め付ける後ろとか、ぐずぐずになった衛の先端とか。
俺の下で喘ぐ衛の姿は、今までに抱いたどんな女よりも淫らで、艶やかで。
衛とこういうコトに及ぶようになってからは、どんな女を見ても何とも思わない。
多分もう、衛以外じゃ満足できない、と思う。

「あ、あ…っ、ちょ、はや…いィ…っああ!あッ、あ、ああぁああ!!」

衛も限界のようで、俺は動きを早めた。
追い詰めるように深く激しく差し貫いた瞬間に衛のは達し、その時にぎゅうと締め付けられたせいで俺も衛の中に全部を吐き出した。
呼吸も荒く余韻にビクつく衛の身体にちゅっちゅっと労るように唇を落としていく。

「し、げ、さん…」
「…ン、」

「……す、き…」

目を閉じて、俺の腰に腕を回して。
目一杯の愛情をくれる。

「…結ばれてンもんな、オレと衛は」
「…ん」



そう、真っ赤な真っ赤な、

それはか細い

生命線。





Lifeline
of
left hand little finger




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赤い糸=生命線
運命の愛が断たれる
それは、死を意味する
一方の命が断たれる
それは、愛の終りを意味する


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