それは誰の鮮血か




「あっ、し、シゲさ、あ…んっ…」
「…なンよ」

すると衛は必死な様子で途切れ途切れに俺を呼ぶと、ぱたぱたと手を伸ばしてきた。素直に身体を寄せると俺の首に細い腕を回してしがみついてくる。そのまま衛は頬を擦り寄せ、耳元で止まった。

「も、挿れ、て…?」

それはこの世の何よりも甘いんじゃないか、と思わせるくらいの威力を持っていた。俺の脳髄を芯から痺れさせる。
いつも衛は俺の声がたまらない、なんて言ってるが、それは俺だって同じで。
思わず深いため息をつくと衛はあからさまにビビった顔をした。どうせ、俺が呆れたとでも思ってるんだろう。
するりと外しかけた腕を引き戻し衛の好きで好きでたまらない極上の低い声で、囁く。

「…煽ったのは、お前だからな」

衛が息を飲むよりも早く、両足を膝からぐっと畳み大きく開く。そして露になるそこに俺のを宛がい一気に押し込んだ。

「あ、ちょ、っ…っああッ!んッ、あっ!」
「……っ…」

のはいいが、思った以上にキツい。正直、動くのも躊躇われる。
しかし衛の方は突っ込んだだけで惜し気もなく熱っぽい声を漏らして身を捩っている。
荒い息を懸命に整えようとする姿がとてつもなく妖艶で、扇情的で。

「…っ、はぁ…あ…っ、シゲ、さ、ん…ッ」
「…………なに、」

ごくり、と生唾を飲み下してやっと振り絞った声は情けなく響く。
それだけ俺を追い詰めてるってことを、コイツは一つもわかっていない。

「はや、く…も、めちゃくちゃ、に、して…ッ」

俺の理性を簡単に取り払ってしまう。

こうして俺は、お前に深い深い水底へ、引き摺り込まれていく、

のだ。






......



「…だってさあ…シゲさん、いっつも笑ってるし…巧いし…」
「そりゃねぇ、愛しの衛ちゃんがあんあん可愛くて仕方ないですから、ニヤニヤニマニマもしちゃいます」
「ば…っ、何言って…!」
「そろそろ衛ちゃんで溺死しちゃいますね、シゲさんは。」
「あああ!もう!おれシャワー浴びてくるっ!!」
「はーい、行ってらっしゃーい」



「…結構、マジなんだけどな」








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衛ちゃんにどメロメロンなシゲさん。それをあんまり理解していない衛ちゃん。
こんな二人をちまりちまり書いていきます。よろしくお願いします。


タイトル…mechanismさまよりお借りしました。



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