告白1 : 1 / 11



「はい、ちゅーもーく!」

畳の香りがほのかに漂う大部屋、その真ん中に広げられた大地図。
それを囲む、俺たち。

「毎年恒例、今日は1日、ここら辺のお店が協同で開くおっきいお祭りがありまーす」

光希くんが、突き立てた人差し指で、地図上に横たわる大通りをぐるりとなぞった。

「お祭りイイねえ。焼き鳥食いたい。」
「しかし毎年恒例、って、初めて聞くけどな」
「今年は実行委員長が体調不良のせいで、予定より1週間遅れてしまったそうでーす」



…小旅行2日目。

本来の目的を「三年生お疲れ様」とする、この旅。テーマに忠実に沿えば、労られる側であるはずの光希くんが、仕切りに仕切っているということをツッ込む人間は、特寮組には存在しないようだった。きっとこれが毎年恒例なのだろう。

昨日から、光希くん家で経営するホテルにまるまるお世話になり、海水浴、美味しい夕食に立派な客室、至れり尽くせりの初日を過ごした。全く、高校生には贅沢すぎる。

今朝も、バイキング形式の朝食をご馳走になった。ふかふかのパンからしゃきしゃきのお漬け物まで、小さな子供もじいちゃんばあちゃんも満足の内容。

…ちなみに俺は、朝飯はご飯に味噌汁の和食派。




bkm


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