▼ 後悔 : 12 / 12
「ちょ、っ…あ、ああぁ…んぅ…ッ!」
ゆっくりと、自らの重みにより中へ朔哉のモノが導かれていく。
「いー眺め」
乱されたブラウス、はためくスカート。
朔哉は満足げに呟くと、俺の腰を掴んで律動を開始した。
「あッ、さ、さく、あぁッ…!あ、下、からぁ、だめ…ッ!」
霞む視界の中で必死に朔哉を探し手を伸ばす。朔哉の身体にしがみつくようにして、迫りくる快感に耐えた。
動かしながら、朔哉が首筋に吸い付いてくる。もちろん抵抗する余裕などなく、ただ喘いだ。
「あッ、あ、も、イく、イッ、イく…ッぁああ…!」
俺が耐えきれず白濁を溢した瞬間、朔哉は自らを引き抜いた。さっきまで俺のを弄んでいたその手で自身を扱くと、遅れて朔哉も達する。
俺は肩で短い息をしながら、脱力するように朔哉にもたれかかった。
「んー…」
背中に触れる温かい手が、俺をあやすようにぽんぽんと跳ねた。
「きもちよかった?」
「う、っ…ば、ばかぁ…」
余韻と羞恥とでぐるぐるになる思考の中、マトモな答えを返すことなどできるはずもなく。朔哉の肩口にひたいを押し付けた。
「あー…」
急に静かになった室内に朔哉の脱力した声が響く。
気になって、ちらりと目線を上げ朔哉の顔を盗み見た。気づいた朔哉と目が合う。
「なんかさぁ…」
「…うん」
「……初体験だわ」
「…は?何が…」
「んー…こういう、セックス」
―…ズキン。
「…自分が気持ち良ければそれで良かった。入れて動いて出して終わり、だった」
―…ズキン。
「いつでもどこでも中で出して、相手のことなんか気にもしなかったし」
―…ズキン。
「オレが良ければそれで良かったのに」
「翔が気持ちよくなってくれるのが、うれしい」
「気持ちよくしてあげたいし、イヤな思いはさせたくない」
「これってやっぱり」
「恋、なんじゃねーの?」
―…ズキズキズキズキ
いや、なんとなくだけど。と、朔哉は頭を掻いた。
朔哉の声が俺の鼓膜を震わせる。
「っ、ぅ、うぅ…っふ、う…」
「……は?ちょ、翔?なんで、泣いて…」
「ぅ…さ、さくや…さくやぁ…」
「なんだよ、泣くなよ…」
「……ごめ、ご、めん…なさぁあ…ッ…」
「なに?なにが、ごめんなの?翔…」
「……す、した…」
「………なに?なにしたの…?」
「……き…キス、した……したの…ッ」
「……恭祐くん、と……」
12...藤咲くんの後悔。
bkm
← →
/全80page
≪back