後悔 : 12 / 12

「ちょ、っ…あ、ああぁ…んぅ…ッ!」

ゆっくりと、自らの重みにより中へ朔哉のモノが導かれていく。

「いー眺め」

乱されたブラウス、はためくスカート。
朔哉は満足げに呟くと、俺の腰を掴んで律動を開始した。

「あッ、さ、さく、あぁッ…!あ、下、からぁ、だめ…ッ!」

霞む視界の中で必死に朔哉を探し手を伸ばす。朔哉の身体にしがみつくようにして、迫りくる快感に耐えた。
動かしながら、朔哉が首筋に吸い付いてくる。もちろん抵抗する余裕などなく、ただ喘いだ。

「あッ、あ、も、イく、イッ、イく…ッぁああ…!」

俺が耐えきれず白濁を溢した瞬間、朔哉は自らを引き抜いた。さっきまで俺のを弄んでいたその手で自身を扱くと、遅れて朔哉も達する。
俺は肩で短い息をしながら、脱力するように朔哉にもたれかかった。

「んー…」

背中に触れる温かい手が、俺をあやすようにぽんぽんと跳ねた。

「きもちよかった?」

「う、っ…ば、ばかぁ…」

余韻と羞恥とでぐるぐるになる思考の中、マトモな答えを返すことなどできるはずもなく。朔哉の肩口にひたいを押し付けた。

「あー…」

急に静かになった室内に朔哉の脱力した声が響く。
気になって、ちらりと目線を上げ朔哉の顔を盗み見た。気づいた朔哉と目が合う。

「なんかさぁ…」
「…うん」
「……初体験だわ」
「…は?何が…」
「んー…こういう、セックス」


―…ズキン。


「…自分が気持ち良ければそれで良かった。入れて動いて出して終わり、だった」

―…ズキン。

「いつでもどこでも中で出して、相手のことなんか気にもしなかったし」

―…ズキン。

「オレが良ければそれで良かったのに」
「翔が気持ちよくなってくれるのが、うれしい」
「気持ちよくしてあげたいし、イヤな思いはさせたくない」
「これってやっぱり」

「恋、なんじゃねーの?」



―…ズキズキズキズキ



いや、なんとなくだけど。と、朔哉は頭を掻いた。
朔哉の声が俺の鼓膜を震わせる。



「っ、ぅ、うぅ…っふ、う…」

「……は?ちょ、翔?なんで、泣いて…」

「ぅ…さ、さくや…さくやぁ…」

「なんだよ、泣くなよ…」

「……ごめ、ご、めん…なさぁあ…ッ…」

「なに?なにが、ごめんなの?翔…」

「……す、した…」

「………なに?なにしたの…?」

「……き…キス、した……したの…ッ」


「……恭祐くん、と……」













12...藤咲くんの後悔。






bkm


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