▼ 後悔 : 6 / 12
「展示、ふたりで回ってたんだ?」
「そーですよー!これから友達がライブで歌うんで、それも見に行きます!」
気づけば藤高先生も去っていったようで、光希くんと彰太はまたふたりで和気あいあいと話している。
ライブを見る、という彰太の発言に、光希くんは大きくうなずいた。
「あ、そっか!それ、恭祐が出るやつだ!」
―…ズキン。
「そうですよー!特寮の恭祐さん、ギターですもんねー!」
「ホント、恭祐のくせに生意気だよねー。行ってヤジってやろーかなー?」
…ズキ、ズキ、ズキ
「ヤジはやめてください!!…もし行くなら光希さんも一緒に行きませんか?」
「えー、いいの?かわいこちゃん連れて歩けるなんて嬉しいな!」
「光希さんも一緒に、いいよなー、翔?」
…ズキ、ズキ、ズキ
「…かける?」
「……………えっ?」
「光希さんも一緒に、ライブ見に行こ!って言ったの!」
「あ、あぁ…そっか…うん、もちろん、いいよ」
はしゃぐ二人の傍ら、鼓動が速くなる。
歩き出す二人とはぐれないように、後を追った。
…そうだ、恭祐くんも、出るんだ。
ステージに上がるのはハルくんだけではない。今夏、正式に軽音部に加入した恭祐くんも演奏メンバーの一人となる。ハルくんを見に行くのであれば、必然的に恭祐くんとも顔を合わせることになるのだ。
bkm
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