▼ 後悔 : 3 / 12
やっぱりハルくんも、おれの足をジロジロ眺めながらニコニコ顔。
こんな野郎の足なんか見て何が楽しいんだ。やめてくれ。
「お前もハルのくせにかっこいー服着ちゃってさ!それも兄ちゃんの手作りだろ?」
「へー…凄いな…」
「俺、中学の時も違うメンバーでバンドやってたんだけどさ。その時から、ライブのたびに作ってくんだよ、兄貴が…」
「お兄さん何歳なの?」
「………24歳無職」
「あちゃー…」
一瞬で場の空気が沈んだ。
…訊くんじゃなかった。
「…ちげーよ、俺はそんな話をしに来たんじゃねーよ。そろそろ俺ら出番だからさ、見に来れば?って言いに来たの。」
「11時だろ?大丈夫、わかってるって!」
「ハルくん旋風巻き起こすから、マジで」
そう言い残してハルくんは去っていった。
学校でのライブは今日が初めてだから、ハルくんもきっと張り切ってるんだろう。
「翔、ちょっと早いけどもう行こうぜ!」
「そだな、他のところも見ながら行けばちょうどいいか」
クラスの奴らに抜けることを伝えると、教室じゅうから『えー!?』だの『行かないでー!!』だの、さらには『お仕置きして!!』など聞こえてきた。
彰太がポーズを決めるとヲタクたちの拍手が巻き起こる。
喝采を背に、教室をあとにした。
bkm
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