後悔 : 2 / 12

そんなわが校学園祭のプログラムはというと、クラス、部活、委員会ごとの展示に、弁論や研究の個人発表、ご自慢のだだっ広い講堂や体育館では各コンテストや出し物が用意されているなど、このヘンテコ学校にしてはいたってフツーの内容。
そんな中でも一番盛り上がる、文化祭のメインとなるものは、やはりクラス展示。
生徒たちは割り当てられた教室に各所から必要な機材を取り寄せ、設置し、思い思いの飾り付けをして、喫茶店やお化け屋敷や模擬店などに変身させる。クラスの個性が光る空間がいくつも並ぶこととなるのだ。
それはわがクラスも例外でなく、いわゆるヲタクが多いうちのクラス展示はコスプレ漫画喫茶というイカニモな内容となった。
そちらの文化についてもたしなむ程度には理解しているつもりだったが、皆の熱心さには少々ついていけない。
皆の視線が痛い。
主に足に注がれている気がする。
…そ、そんなに見るなっ。

「おー、お二人様、似合うじゃん」

接客に精を出す彰太と、必死にスカートを引っ張り足を隠したいおれのもとに廊下の向こうから現れたのは、男の子にしては長く伸びた黒髪をさらさらと揺らし歩くハルくん。黒を基調に、赤と白の市松模様が袖口やポケットに施されたお洒落スーツを身にまとい、ヒラヒラさせた右手には白い手袋がはめられている。

「よーハル!!似合うだろ!!」
「似合ってるけど…彰太がゆいちゃんだなんてちょっと納得いかねーな。翔はみおちゃんか、ピッタリじゃん」
「………勘弁してよ…」


bkm


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