暴走 : 6 / 14


「翔こそ、なんであの人のこと知ってんだよ」

「ん、神野さんの友達らしくて。特寮で一緒に勉強会するらしいよ」

「へー…。てか、翔、まだ神野さん、なんて呼んでんの?もう付き合ってるんだから、名前で呼べばいいじゃん!」

「え…いや、無理!…は、恥ずかしいし…」

「なんも恥ずかしいことねーだろー!?おはようのちゅーなんかしてるくせに!」

「ばっ…お前、デカい声で言うなよ!」




「あたッ!」

「いってー!」

その時、ゴツン、と頭上で鈍い音がした。同時に鈍痛が頭頂部を襲う。

「そーだぞ。筒抜けだ。」

見上げると、童顔の担任が出席簿を持って鋭い目でこちらを見ていた。

「早く席に着け、このばかもの。HRだ。」

「キヨちゃん痛いよ!ハゲるよ!」

「お前なんか禿げてしまえ」

「キヨちゃんひどぉい!どこでそんな言葉覚えてきたの!?」

彰太は頭を抱えて、ぎゃあぎゃあ抗議した。もちろん先生はスルー。

「慶護はなー、スゴいんだぞ。卒業したら社長だからな、アイツは。」

「せんせー!盗み聞きは良くないと思いまーす!」

彰太のささやかな反抗は依然として続く。教室には笑いが起こった。

…神野さんの友人で、少々性格に問題アリ(?)で、次期社長。
慶護さんとは、一体どんな人なのだろうか。



bkm


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