▼ 暴走 : 6 / 14
「翔こそ、なんであの人のこと知ってんだよ」
「ん、神野さんの友達らしくて。特寮で一緒に勉強会するらしいよ」
「へー…。てか、翔、まだ神野さん、なんて呼んでんの?もう付き合ってるんだから、名前で呼べばいいじゃん!」
「え…いや、無理!…は、恥ずかしいし…」
「なんも恥ずかしいことねーだろー!?おはようのちゅーなんかしてるくせに!」
「ばっ…お前、デカい声で言うなよ!」
「あたッ!」
「いってー!」
その時、ゴツン、と頭上で鈍い音がした。同時に鈍痛が頭頂部を襲う。
「そーだぞ。筒抜けだ。」
見上げると、童顔の担任が出席簿を持って鋭い目でこちらを見ていた。
「早く席に着け、このばかもの。HRだ。」
「キヨちゃん痛いよ!ハゲるよ!」
「お前なんか禿げてしまえ」
「キヨちゃんひどぉい!どこでそんな言葉覚えてきたの!?」
彰太は頭を抱えて、ぎゃあぎゃあ抗議した。もちろん先生はスルー。
「慶護はなー、スゴいんだぞ。卒業したら社長だからな、アイツは。」
「せんせー!盗み聞きは良くないと思いまーす!」
彰太のささやかな反抗は依然として続く。教室には笑いが起こった。
…神野さんの友人で、少々性格に問題アリ(?)で、次期社長。
慶護さんとは、一体どんな人なのだろうか。
bkm
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