▼ 衝撃 : 8 / 17
「なんですぐ拒否しないの?」
朔哉の顔に暗い陰が落ちる。
射止めるような視線に息が詰まった。
すぐそばに朔哉の顔が迫る。堪えきれずに顔を背けると、長く骨張った指に顎の先を捕らえられた。
思わずぎゅっと目を瞑る。
引き結んだ唇を割って入ってくる異物。奥に引っ込んだ俺の舌をぬるりと絡め取り、くちゅくちゅと音をたてて弄ぶ。顔を固定され逃げようにも逃げられず、そのキスを受け入れざるを得なかった。
「嫌じゃないんだ?」
口づけの合間に、吐息をたっぷりと含ませた艶っぽい囁きが襲う。まるで、朔哉の声を直接俺の鼓膜へ流し込むかのような。
「恭祐と…キス、したいんだ?」
背筋がゾクリとした。
「ちが、びっくりして、それで…ッ」
再び唇が合わさる。
朔哉はそれと同時にさわさわと俺の腰の周りを撫で始めた。今度はがっちりと体を押さえつけられ、離れることができない。
さらに、Tシャツ一枚にハーフパンツという服装が災いした。薄着ゆえに簡単に露になった素肌に朔哉の手指が到達する。条件反射で震えた身体が憎い。
唇を離れると、次いで首筋、鎖骨、俺の皮膚の上を水流が伝うように朔哉の舌が肌を這う。
bkm
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