衝撃 : 7 / 17





「あら」


恭祐くんの唇の端が歪む。



「随分と、余裕ないのね」


恭祐くんの鋭い視線が、俺の頭上にある朔哉へと移された。
朔哉の表情は、見えない。







「あるワケねーだろ、そんなモン」

前触れもなく朔哉の腕が解かれ行き場に迷った手首をがっちりと捕まえられる。

すごい力で手を引かれるがまま、俺は朔哉の背中を追った。

ずんずんと突き進む朔哉の力強さは信じられないほどで、何事かと思った周囲の生徒たちは次々に不躾な視線を送ってくる。
朔哉は歩みを止めない。





「あ、あのさあ!」

湿っぽい校舎の裏側に差し掛かったところで、朔哉の気迫に押されて出てきてくれなかった声がようやく飛び出した。

朔哉の足が止まる。




朔哉はゆっくり振り返って俺を見た。


「…怒ってる?」
「怒ってるよ」

その目を見た率直な感想を告げる。

…即答。

掴まれたままの手首をぐっと引かれ、ひんやりと冷たい壁に背中を押し付けられた。
朔哉の腕の中に閉じ込められ、逃げ場をなくす。
見上げた先には、苛立ちの表情。




bkm


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