衝撃 : 6 / 17





…………えっ?


それは声として産み出されず、ひどく渇いた唇がぽかんと開いただけで終わった。
先ほどのテンションの高さからは想像もつかないような、シリアスな声色によって紡がれた単語に硬直してしまう。
そんな俺の気も知らず、体育祭真っ只中のグラウンドは大盛り上がり。



『そんなことは起きないよ?』

『どこ行くんだよ』

『俺はそうは思わないから』



一瞬にして恭祐くんの発した言葉の数々が蘇る。
セリフの端々に滲む真意がぼんやりと掴めてきたけれど、半信半疑、疑心暗鬼、なんで俺が、いやそんなハズは、ぐるぐる巡る思考に目眩がした。
詰まりそうになる喉を押し開いて、声を絞り出した。







「人のモンに手出してんじゃねーよ」




絞り出したはずの声はひどく低かった。


…否、それは俺の声ではなかった。




ぐわっ、強い力で後ろから身体を引かれよろめく。気が付けば、たくましい腕の中に抱かれていた。





bkm


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