衝撃 : 3 / 17



…そう。

こんなにも情熱を欠いている俺が、何故ここに立っているのかというと。






『藤咲!お前徒競走な!』

『…なんでだよ』

『だって1Aで一番足が速いっていったらお前だろ!』

『そだな!夏の陣のサッカー、すごかったもんな!』

『決定!決定!』






こんな感じである。
ちなみに最後の煽りは彰太。睨み付けたら黙ったが、結局は他の奴らの押しに負けて徒競走の選手になってしまった。

…以上、回想おしまい。


『位置について!』


諦めて白線に手を置いた。
なんだかげんなりした。
はあ、とひとつため息が漏れる。
別に誰の足が速かろうが遅かろうが知ったこっちゃない。


…だけど、どうせやるなら、

………一等賞、だろ。




『用意!』


………1
………2、


パァン、



フライング気味だったが気にせず地面を蹴った。

…空砲は鳴らない。

全身を包み込む歓声と、風を切る感覚が何とも言えない心地よさを生む。


…ああ、この感じ、久しぶり。



見えた白いテープに向かって、走り抜けた。




bkm


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