▼ 告白2 : 2 / 11
「美味しいモノもいっぱい、雑貨の屋台もたくさん、広場のステージで催しモノもありまーす」
「これだけ規模がデカイと、期待できるね」
恭祐くんが地図上の商店街を端から端へ、指でなぞった。
…お祭り。
こうして聞いていると、なかなかに楽しそうだ。
そういえば、自分の地元の祭りも、久しく行っていない気がする。
「よし!食うぜ!」
「嵐くん食い過ぎないでね」
「翔は何食いたい?」
「おれ?おれは、えーと…」
「…なに、団体行動じゃないとダメなの?」
皆のテンションが順調に上がってきた頃、あからさまなローテンションを吐き出した人が一人。
…俺の隣に座る、彼。
「えー?…別に、ダメとかではないけどー…」
「その発想はなかった」
「別にいいけどな、お前、翔は連れて行くなよ?お前独りで行けよ?」
「意味ねーじゃん」
「…俺だって我慢してる」
「え?雅紀なんて?」
嵐くんの脅迫じみた言葉に、神野さんは口を尖らせる。昨日に引き続き、神野さんは俺と二人になりたいようだ。
…自分でそう言うのも何だか恥ずかしいけど。
とりあえず、雅紀くんの呟きはスルーしておく。何だか怖い。
「エスケープ禁止な!分かったか!?」
「……ん」
短く頷いた横顔は、不服そうに歪んでいた。
bkm
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