思惑10 : 10 / 12



「…照れ、てるの?」

そらされたその綺麗な横顔はほんのり、本当に僅かに、赤く染まっていた。

「…ああ、ヤダ」
「…なんで?」
「…小学校で習うだろ、泳ぐのなんか」
「いいじゃん、一個くらい欠点あった方が、安心するよ」



…ああ、この人。

こんな顔も、するんだ。


「…まあ、どんな理由にしろ、俺をほったらかしたのは、お仕置き、だな」


すると一転して、ギラついた目で、彼は言う。

目を離すことなんて、できなくて。


「メシの後、覚悟しといて」


......


あんなことを言われて、平常心でメシを食えと言う方が、無理なおハナシなワケで。プラス、常時仏頂面だった彼も、原因の一つ。

「…あ、っ…んぅ…」

とっくの昔に暗くなった窓の外、月の光が差し込む。
静かな夜、俺の恥ずかしい声ばかりが高く響いて、耳を塞いでしまいたくなった。

「っ、せん…っぱ、それ、やだ…ああ…っ」

覚悟しといて、なんて。
何をされるのかと思えば、神野さんはずっと、ねっとりと絡む舌遣いで俺のを舐めていた。

「ヤダ?気持ちヨすぎて?」
「ちが…あ…!」
「違わない」

彼の声が振動になって、俺のへ直接伝わってくる。
そして彼は口を離し、次は手による愛撫に切り替えたらしい。俺のを軽く握り込んで、ゆるゆると揺すりながら、今度は舌先を俺の首筋に這わせ始めた。





bkm


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