▼ 思惑10 : 10 / 12
「…照れ、てるの?」
そらされたその綺麗な横顔はほんのり、本当に僅かに、赤く染まっていた。
「…ああ、ヤダ」
「…なんで?」
「…小学校で習うだろ、泳ぐのなんか」
「いいじゃん、一個くらい欠点あった方が、安心するよ」
…ああ、この人。
こんな顔も、するんだ。
「…まあ、どんな理由にしろ、俺をほったらかしたのは、お仕置き、だな」
すると一転して、ギラついた目で、彼は言う。
目を離すことなんて、できなくて。
「メシの後、覚悟しといて」
......
あんなことを言われて、平常心でメシを食えと言う方が、無理なおハナシなワケで。プラス、常時仏頂面だった彼も、原因の一つ。
「…あ、っ…んぅ…」
とっくの昔に暗くなった窓の外、月の光が差し込む。
静かな夜、俺の恥ずかしい声ばかりが高く響いて、耳を塞いでしまいたくなった。
「っ、せん…っぱ、それ、やだ…ああ…っ」
覚悟しといて、なんて。
何をされるのかと思えば、神野さんはずっと、ねっとりと絡む舌遣いで俺のを舐めていた。
「ヤダ?気持ちヨすぎて?」
「ちが…あ…!」
「違わない」
彼の声が振動になって、俺のへ直接伝わってくる。
そして彼は口を離し、次は手による愛撫に切り替えたらしい。俺のを軽く握り込んで、ゆるゆると揺すりながら、今度は舌先を俺の首筋に這わせ始めた。
bkm
← →
/全80page
≪back