暴走 : 9 / 14

......


「…なんか、嫌だ。」

テスト前は部活よりも勉強をしなさい、という、どこの学校でも見られる方針は、うちの学校にも適用されている。この時期にしかオフがないと言っても過言ではない、バスケ部に所属する彰太を取っ捕まえて、教室でボヤいた。

「な?だから言ったろ?」
「うん…なんか、見下されてる気がする…」

あれから数日。
カレンダーはもう6月に突入していて、衣替えも済み、学校は完全に夏色。天候にも恵まれている。
しかし相も変わらず、特寮では連日、テストに向けてお勉強会が催されているのだが。

─…もちろん、もれなく慶護さんも付いてくる。

彼に直接的に何か言われたりされたりしたわけではないしもしかしたら慶護さんは何とも思っていないのかもしれないけど、あの目付きと微笑みのせいで、何だか居心地が悪いのだ。

「あれだろ?こっち見て菩薩のように微笑むだろ?」
「そうそう」
「あとは?これ見よがしに神野さんにベタついたり?」
「うん、そんな気もする…」

…俺に対してだけではない。
勉強を教えるのだから仕方ないにしても、無駄にくっつきすぎ、な気がする。



bkm


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