私が勝手に
意識しすぎなんだろうか







『お願いします』

「おー、名字。おはよう」

『お、おはよう犬飼くん!』



2年生になってから弓道部に所属した私
弓道の腕はまだまだだけど
彼、犬飼くんや
部長の金久保先輩に副部長の宮地くん、この学園にいるもう1人の女の子、月子ちゃんに支えられながら毎日頑張っています
(も、もちろん白鳥くんにも!)






『い、犬飼くん今日は早いんだね』

「おーよ!もうすぐ、インハイの出場メンバー決まるだろ?練習にも力が入るってな!」



そうなのだ
もうすぐ、インハイの出場メンバーが決まる
今年の我が学園の目標は
「インターハイ優勝」
1人1人が毎日練習に励んでいた

実は
私がこの2年生になってから、という微妙な時期に弓道部に入った理由は去年のインターハイ

月子ちゃんに
ぜひ応援に来てほしい!と言われ、インターハイを観に行った

金久保先輩や宮地くん、月子ちゃんが高得点を取る中
私は他の人物に釘付けになっていた

…そう、それが
彼、犬飼隆文くんだった


凛としていて、
真っ直ぐ遠くの的を見つめていた彼の姿に私はもう
ずっと見入ってしまった




それで
私にも犬飼くんのように
的を射れたら、と思い
一念発起して弓道部に入部した、という訳です

(弓道部に入部した理由は
かなり犬飼くんを意識してる…って思われそうで
他の人には言ってません…)





「…、名字?聞いてるか?」


『あっ!ご、ごめん…そうだね、もうすぐメンバー決まるもんね…でも私はまだ入ったばっかりできっとインターハイには出られないと思うけど……頑張ってね、犬飼くん!』



そう言うと
犬飼くんは私の頭の上に大きな掌を乗せてくしゃくしゃ、と少し乱暴に撫でてきた
それだけで私は
頭がいっぱいいっぱいになってしまう



「なーに言ってんだよ!頑張ればインハイには出れる!最近、名字の上達具合には宮地も褒めてたぞ」

『ほ、本当に?』

「ああ、俺は嘘はつかねーからな!」



彼特有のサメっ歯を
ニカッと表し
犬飼くんは優しく微笑んでる



「俺でも、最近の名字の上達ぶりには気づいてたし…知ってるよ、お前が誰よりも頑張ってるってことはな」

『…っ』



ち、違うよ
犬飼くんは私を慰めてくれてる…というか元気付けてくれてるだけ

犬飼くんが私のことを…


だなんて
そんな自意識過剰なこと…
私は無駄に意識しすぎなんだ!




「俺も、名字と一緒にインハイ出て優勝したいしな」

『…わ、私もインハイに出れるかな』


私の顔は多分耳まで真っ赤なんだろう
そんな私の顔を見られたくなくって俯いたまま私は言う


「出れるよ、…お前は少しネガティブすぎるんだよな!もっとポジティブに行かねえと」

『う、うん』



すると犬飼くんは
いきなりしゃがみこんだ
しゃがみこんだ犬飼くんは必然的に私を見上げることになる



「大丈夫だ、俺が一緒に練習見てやるから」

『…っ!』

「部長や宮地よりは上手くないからな、頼りないかも知れないけど…」

『そ、そんなことないよ!』



いきなり大きな声を出した私に目を大きく見開いている犬飼くん

ああ、もう
恥ずかしすぎて死にそうだ



しばらくすると
犬飼くんはまたニカッと笑い
私にこう言った







「もしインハイに俺達2人とも出れたら、お前に言いたいこと、ある…から…」







そう言った犬飼くんの顔は
さっきの悪戯っ子のような笑いではなく


少し、頬を赤くして
照れているような笑いだった







『(それって、もしかして)』






ああ、神様


これは私、

自意識過剰すぎてもいいんですか?






バカ、意識しすぎ

(む、お前達何をしている)
(しーっ!宮地くんしーっ!)
(今、犬飼と名字がいい感じなんだから!)

(いい感じ…?)


■あとがき


この度は、
犬飼くんメイン企画に参加させていただき、とっても嬉しいです…!
もっと!
もっといろんな方々に
犬飼くんの魅力を知ってもらえたらな、と毎日思っています←

今回書かせていただいた小説は
いかがでしたでしょうか…
ちゃんと
お題に沿った内容になっているかどうか心配ですが(・ω・`*)

楽しんでいただけたなら
幸いです!


企画主催の梨乃様
そして
ここまで読んでくださった
犬飼くん好きの貴女に!


感謝、感謝です!
本当にありがとうございました!


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