足早に階段を上っていく。
鼓動はいつも以上に早く打って息切れも少し異常。
最上階に着けば鉛のドアが目の前に立ちはだかっていて私は息を整えながらドアノブを握った。
静かに押し開けると冷たい空気が背筋を凍らせる。
景色は暗闇でよく目を凝らせばそこには見慣れた人が立っていた。
私はゆっくりとその人に近づくと

「名前、遅かったな。」

『…!!ご、ごめん…ちょっと一樹会長に捕まって…』

まだ少し息切れが続いていた。
最近私運動不足?とりあえず、部活は一生懸命やってるはずなんだけどな…。
私は俯いて深く深呼吸をすると頭に手が乗っかる感じがした。

『た、隆文くん…どうしたの?』

「いや、この体制楽しそうだなと思って。」

『な、何それ。全然楽しくないし…ちょっと重い…。』

「いいじゃねぇか、別に減るもんじゃねぇし。」

そう言ってお構いなしに手を私の頭に置いたまま次第には私の頭を撫でてきた。
最終的には何がしたいの…?

『で、隆文くん?そんな事してないで私の作ったお菓子食べてよ。』

「げ…やはり、ダメだったか…。あぁ、わーった。んじゃ、そこ座ろうぜ。」

なんか、最初に「げ」とか「ダメだった」とか聞こえたけどそんな事を無視して私達は近くにあったベンチに座る。
ちょうど一週間前に私はお菓子を作って隆文くんにあげたのだけど…いつものように失敗に終わってしまった。
私がへこんでいると隆文くんがこれ以上被害者を出さない為に試食係になってやると言ってくれた。
その時は嬉しさと同時に腹立たしい気持ちがあった。
被害者って…失礼な…まぁ、確かに失敗とかしちゃうけどそこまで言われると何だか無償に女のプライドが許せないわけで、だから部活が終わってすぐ寮に帰りお菓子を作って隆文くんに試食をさせてもらっているわけだった…。

「で、今日は何作ったんだ?」

『えっとね、スコーンだよ。』

「ほう、なんか女子が作りそうなもんだな。」

そう意地悪っぽく笑う隆文くん。

『失礼な、これでもちゃんとした女の子なんだから!!』

「はは、冗談だって、そんな怒んなって可愛い顔が台無しだぞ?」

そう言う隆文くんはずるいと思う。


『そうやって言っても…許してあげないんだから…。』

はいはい。となんだか苦い顔をしてスコーンを掴む隆文くん。
ドキドキと鼓動がまた早く打って急に不安になった。
また、失敗してたらどうしよう…。
そう思ってると隆文くんはスコーンを口に入れた。
ぎゅっと私は目を瞑る。

「…あ、美味い。」

え…?今なんて…

「うんうん、意外といけるんじゃないか?もぐもぐ」

『ほ、本当?嘘じゃない?』

「いや、俺としてはこの味が嘘じゃねぇ?」

なんて言って眩しい笑顔を私に向けた。
それでも、私の鼓動は…まだ止まらない。

『隆文くん、』

「んー?なんだー?」

『…ありがとう。』

そう言ってから思わず隆文くんの頬に唇を添えた。
その反応に隆文くんはただ呆然を顔を赤くしているだけだった。







屋上へ続く階段




次は何をプレゼントしよう。



(あー、菓子はもういいからよ。俺そっちがいい。)
(そっちとは?)
(だから、これ。)
(…え?…!!)
(名前真っ赤。)
不意打ちは禁止だよ…隆文くん。




■あとがき
参加させていただきありがとうございます!!m(_ _;)m
あーう、ごめんなさい…なんか別人だし…こんな小説載せていいのでしょうか…。
ダメだー!!あー…すいません…とりあえず日本語迷子だ!!それに意味がわからない!!
読んでくれた方…駄文すぎてすいません、こんな犬飼くんですいません。
読んでくれてありがとうございました。


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