「俺ラビ、よろしく」

見知らぬ奴に手を差し出され何かと思えばいきなりの自己紹介。どうしていいか分からず手とそいつの顔を交互に見る。オレンジの髪に瞳は緑。そして多くの装飾物。派手すぎる見た目だ。視線を顔から下に向けるとエクソシストの証である団服が。そこでようやくこいつも自分と同じエクソシストなのだと知る。しかしだからと言ってわざわざ握手をする義理もないし、どう返事をしていいか分からないいきなりの待遇にただ薄い笑顔を浮かべているこいつを睨むことしかできない。握手をする気配がない俺に痺を切らしたのか「握手は嫌い?」と首を傾げながらしかし笑顔を崩さず問いかけてくる。それに対してもどう答えていいのか分からずどうしたものか、と考えながらそいつの後ろに目をやるとずっと後ろに幼なじみである少女がこちらを見ながら笑っていた。何に対して笑っているのだろうと疑問に思うこちらの視線に気付いた少女は、口パクとジェスチャーで何かを伝えようとしてきた。きっと握手をしろと言いたいのだろう。自分が相手に対してどうすればいいのかわからないことに気付いた上での行動だ。助け舟を出してくれた彼女の言うことをありがたく聞いて自らも手を差し出しそっと重ねた。よろしく、そうぶっきらぼうに呟くと目の前で先ほどから少し笑顔に不安の色を滲ませていたこいつはすぐに明るい笑顔へと変わっていった。単純な奴だとそれを見て思った。そして「名前は?」と遠慮がちに聞いてきたので神田ユウ、と簡潔に答えればまた嬉しそうに笑った。一体こいつは何なんだ。その疑問を向こうで未だに微笑んでいるリナリーに尋ねようとじゃあ、と言ってその場を立ち去ろうとした途端、腕を強く掴まれ振り向く。なんだよと目で訴えれば「俺、リナリーから神田のこと聞いて話してみたいなって思ってたんさ」と必死にこちらの様子を伺いながら言う。だから何だと自分にはどうでもいい事に若干イラつきながらその場を後にした。そしてリナリーにラビと名乗る男のことを聞けば、どうやらリナリーが事前に俺のことをラビに紹介してたらしい。そんなことだろうと思っていたがあまりにも予想通りな言葉に少しうなだれてしまう。そして俺の話を聞いたラビは俺のことを女だと思いこんだらしく、初めて神田を見た時のラビの顔ったらすごく面白かったわよ、と話す少女をなんだか釈然としない気持ちで見つめる。なぜ勝手にしてただろ」
「ああ!あれのことね、」



神田はあまり人との馴れ合いを好まないの。口が悪いし短気ですぐ怒鳴るし、興味の無い人にはとても冷たいわ。顔は綺麗だからモテるとは思うけど、あの性格じゃあね。あまり騒がれるようにモテたりはしないのよ。でも頑張り屋で任務をこなすことには忠実だし、毎朝早起きをして鍛練も怠らないわ。イノセンスを解放してAKUMAを斬る姿はとても綺麗なの。それを見て惚れる人も少なくないんじゃないかしら。そうね、確かに残念だわ。あれだけ綺麗なのに勿体ないと思うのよ。え?神田の特徴?そうね、髪はとても長くて綺麗な黒をしているわ。いつも一つに結わえているの。身長も高いわね。ラビと一緒ぐらいじゃないかしら?体は細いわりに意外と筋肉がついてるのよ。顔は何度も言うけど美人だし、睫毛が長いの。やあだ、マニアックとか言わないで。あとは、主食は蕎麦ね。え?恋愛経験?それは…ないんじゃないかしら。さっきも言った通り、人との馴れ合いを好まないの。













君はピーターパン?

(だってさ!)
(…)
(あれ?どうしてたのユウ)(…なんでもない)
(…ふうん?)





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