※脳内パレードの続き



あれから数日がたった。俺はまだまともに財前と話せてない。もちろん千歳と、白石も。いろいろとわけわからんくて、ボーッとしとるまま時間だけが過ぎて行った。都合がいいことに今は部活がテストで休み期間中。やからこそ俺は白石と千歳と財前を避けてしまっているわけなんやけど。白石はクラスが一緒やったけどやっぱり避けてしまった。そのせいで今めっちゃ気まずい。


「おい、謙也」
「な、なんやねん」
「こないだからずっと俺のこと避けとるやんけ」
「…」
「心なしか千歳と財前も避けとるみたいやし、なあ、俺ら何かしたん?」
「、…」
「…何か言えや」


何か言えって、言われても。逆に何を言えばいいねん。千歳とキスしたとこ見たって言えばええん?財前にキスされたこと言えばええん?俺を混乱させとるん、お前らやんか。なんて不機嫌を隠さずに頭の中で悪態をついていたら。


「謙也、俺ら友達やんか。そんな隠し事とか、すんなや…」


白石が、あまりにも悲しそうな顔をするから。俺はなんだかいたたまれない気持ちになった。違う、俺はお前にそんな顔をさせたいわけやない。ただモテモテで女に不自由してない親友が、男と付き合ってたことに動揺してん。そして動揺と共になんで俺に言わなかったんやって怒りを感じてしまった。どう接して良いんかわからんかったのもあるけど、この感情のままやと白石を傷付けてしまいそうで。俺なりに考えた結果白石を避けることしかできんかってん。ああもう!アホやな俺。


「ごめんな、白石」
「…わかってくれたらええねん」
「なあ、お前ってさ、」
「ん?」
「千歳と付きおうとるんやな」
「えっ!」
「ごめん、俺見てもうてん」
「あ、そ、そうか…」
「うん、ごめんな」
「…もしかして、お前が俺ら避けてる理由ってそれなん?」
「はい」
「…あー、なるほど。じゃあ財前は何でや?」
「、えっ」
「なんかされたんか?」
「え、いや、別に」
「その顔は図星やな。俺の予想やと告白ついでにキスもされたんちゃう?」
「え、な、おまっ何で知ってんの!?エスパー!?」
「なんでやねん、俺は財前見てきたからわかんねん」
「………」
「でもあいつがいきなりそこまでするとは思わんかったなあ」
「…せやな、」


呆れる。なんでこいつはこんなに冷静に言ってられんねん。俺はこんなに悩んどったのに。さすが白石やなあ、なんか還暦がある。はあ。俺今日で何回溜め息ついたやろ。


「なあ白石、俺どうしたらいいんやろな」
「…謙也」
「もうわけわからへん」
「謙也は、どうしたいん?」
「え?」
「財前のこと好きなんやろ?」
「え、な、は!?」
「だってお前、さっきからずっと顔赤いで」


白石に言われて顔を手のひらで隠す。確かにあつくて、めっちゃ恥ずくなった。俺こんな顔で白石としゃべっとったんか。最初から、ずっと。顔が余計に熱くなる。ってお前はどっちの味方やねん。俺が財前のことを好き?ふざけんな、俺はノーマルやで。女の子が大好きなんやで。財前なんか、別になんとも思ってへんわ。ほんまやで、財前なんか好きでもない。当たり前やん。財前はただの後輩や。って、あれ?そういえば今日財前のことしか考えてへんやん、俺。









脳内パラダイス
(いつのまにかそっち系?)




(0801)






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