「なあ千歳、」
「ん?どぎゃんしたと、白石」


お前には幸せでいてほしい、とても優しい顔で言われた。別れを告げようとしているのでもなく悲しくて言っているのでもないのは、なんとなくわかった。なんやまぬけな顔やなあ、と軽く笑って俺の頬をぺちりと叩く白石。そりゃまぬけな顔にだってなる。叩かれた頬が地味にいたいから余計に。そして意地悪な顔で「別れ話、されると思ったんか?」なんて聞いてくるからまた溜め息が出そうになった。ううん、そんなことは「思ってなかと」。だけど「白石は馬鹿たい」とは思った。だってそれって俺を試して言ったことでしょ?



「馬鹿とはなんやねん!」
「白石は、俺が幸せなん知っとっとやろ?」
「…あ、バレた?」



そうやって笑った彼だって、今が幸せなことは俺が一番よく知ってる。













彼には剥ぎ取るランジェリーなんてものはない
(だけど世界一愛せるの)





(0813)





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