どさり、と体がベッドに沈む感覚がした。見上げる謙也さんの顔はいつになく真剣だった。あれ?俺今なにされてるん?なんて言葉は、謙也さんの顔がゆっくりと近づいてきて飲み込んでしまった。目を閉じたまま触れた唇が離れていくのを感じる。瞼を上げたら小さく息を吐きだした謙也さんがいた。顔は少し赤い。そういえば謙也さんからキスなんて、はじめてだ。いつになく男らしい謙也さんに少しときめいてしまったなんて、気のせいだと思いたいけど。俺まで赤面。少しの期待をしながら目を合わせたら、今度は固まりだした。謙也さん。そういえばこの人は何がしたいのか俺はまだ知らない。家に来て、部屋に入って、少しの会話をして、俺からキスをした。そしたら、謙也さんに押し倒された。いきなりすぎて脳が追いつかない。ついに攻めがやりたくなったとか、そんなんやったら俺は今この体を無理やりでも剥がして上に覆い被さるけど。それをしないのは、どうにも謙也さんの様子がおかしいから。先ほどから固まってしまったみたいに動かない。


「謙也さん?」
「…光、」
「…あんたなにがしたいん?さっきから、押し倒しといて何もせえへんし」
「…それは」
「なんすか」
「…光がしてほしいて思うことをしようと思って、たまには俺から積極的になろかなって、」
「…」
「…思ったけど、やっぱり恥ずかしくて、これ以上はできひん……」


ごめん、って申し訳なさそうにつぶやいて、真っ赤な顔の謙也さんは俺の上に倒れ込んだ。謙也さんはわかりやすい。計算とかそんなもの本当にできなくて、ありのままの彼で俺をドキドキさせる。俺をそんな風にする人なんて謙也さんだけじゃないかってくらい。もう謙也さんに溺れてるのに、馬鹿だこの人は。謙也さんの体に腕も足も絡めて抱きついた。すると「なんや光、苦しい」って言って、恥ずかしそうに笑う。から俺までこそばい気持ちになってしまった。苦しいのは俺っすわ、なんてクサイ台詞は言えない。












魔法の合言葉をあげる
(光、誕生日おめでとう)(って笑顔で言われたそれが最高のプレゼント)







2010.0720

財前HappyBarthDay!!!
生まれてきてくれてありがとう






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