細っこいな、っていつも思う。ラケット持って、ベースひいているはずなのに、その指はいつも綺麗で細い。


「財前の指って細いな」
「そうですか?まあ、謙也さんよりかは細いすね」
「めっちゃ綺麗」
「何言うとるんです」


ほんまに綺麗やのに。財前はあまり気にしていないようだった。もうちょっと喜んでもいいんちゃうの、ってちょっと残念になる。


「なあ謙也さん、小指の意味って知ってる?」
「え?」
「ゆびきりげんまんするためにあんねんで」
「なんやねんそれ」
「それで、ひとつだけ約束したいんやけど」
「ゆびきりげんまんするために?」
「そう。で、今日は俺と二人で帰りませんか」
「…」
「約束。ええでしょ?」
「、はい」


その綺麗な小指が、俺の小指に絡まる姿は、なぜか見ちゃいけないような気がした。









あの子のこゆび
(綺麗すぎてこわい)






(0308)






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