君は星なのです | ナノ


 何気ない日常が、見慣れたはずの白が、深い黒となって俺達に降り積もってきた。濁流の様な音を立ててきたソレは、落ちてきたと思う間もなく全てを奪っていった。
 唯一残った俺の大好きな゙しろ゙は、半身を失った現実にただ呆然としていた。直ぐに駆け寄って隙間を埋めてやりたかったけれど、駆け寄る足も抱き締める腕も白の中に忘れていってしまったから、ずっとずっと心の中に居た。


「本当はわかってた、だから悲しくないよ」
「涙と一緒に流れ落ちてしまったらいけないから」
「特別泣かない、けど、」


 なぁ、もし立場が逆だったらどうしたんだろうな。兄貴はもっと上手く俺と生きてくれていたのかも知れないし、じじいになるまで世話焼いてくれたかも知れない。俺が一人になりたい時はそっと離れて、大丈夫だって消えてたのかも知れない。馬鹿みたいに笑いあって、それはそれで幸せだったのかも知れない。

 でもな、俺は俺がこうなって良かったと思うよ。白に埋もれた事も、一緒にサッカーした事も、お前が進むべき道や共にいるべき仲間を見つけられた事も、全て必然だったんだ。お前じゃなくて俺で、全部全部良かった。
 本当に甘えてたのは俺の方だって、気付いてても言わないお前が好きだ。短い時間でも、笑いあえた日々は俺の宝物だ。これから一人で泣く夜も何度かあるかも知れないけど、俺じゃない大切な人の為に泣いて欲しい。


「僕は生きるけど、君を忘れる事はずっと無い」
「ありがとう」
「大好きだよ、  。」


 待ってるから、いつかまた会える遠い未来まで。



_you are like a star in the darkness.

(君は闇の中の星の様)



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