大晦日には酒とお菓子を持ちよって竹谷のアパートに集合するのはもう恒例行事になったわけで、お菓子は勘右衛門の担当だが勘右衛門に一任してしまうと甘いお菓子しか買ってこないのでちゃんとお菓子リストを渡さないといけない。鍋用の野菜と肉担当は雷蔵なのだが彼もまた一任してはスーパーから出られなくなるのでお買い物リストを渡す。だから雷蔵と勘右衛門は一緒に買い出しへ行くことが多い。それにくっついて豆腐を買ってくるのが、自ら豆腐係を志願した兵助で、材料は割り勘なのでスーパーの豆腐を5丁までとだけ言っておけばあとは一任。そこからは自腹。どうぞご自由に。酒と溜まり場提供はハチなので、私は鍋担当になるのが毎年の定番となった。

「はちー、アウトー」

「いてっ、ちょっ、痛いわ」

「こーら、兵助頭はだめ。はっちゃんの脳細胞大事にしたげて」

「豆腐でやれば痛くないんじゃない?」

「豆腐がもったいないのだぁ」

「えっ、ひどくない?」


兵助は酔っ払うとかまってちゃんになるから非常に面倒臭い。もう年が明けるからそろそろ初詣に出掛けるっていうのにこんな酔っ払いを2人も担いでいかないといけない竹谷君は大変だなあ。勘右衛門と雷蔵はニコチン+アルコール中毒なので酒と煙草はお友達。やだもう雷蔵かっこいい。つまりだから、竹谷君、軽い私たちでよかったね。早く私も担いでくれ、頭が痛い。今年は賽銭を奮発するので強くなりますように、切実に。





年を跨いだら忘れ物をした









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テーマ「人外ファンタジー」
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