※死、人外





みんなが泣いてる。バカ、詰めが甘い、豆腐。学園の目の前まで来たからって気を抜いちゃ駄目だよな。い組で優秀って言われててもまだまだ俺も忍たまってことか、情けない。隙を見せてはいけない、最後まで。家に帰るまでがなんとやら、だ。
今度は俺が勘ちゃんを一人にしてしまうのが心残りだった。三郎以外に雷蔵を怒らせたのが俺で、泣かせたのも俺で、それが最初で最後なのも辛かった。三郎なんて一番泣いてた。雷蔵ならともかく俺なんかの為に涙が枯れるほど泣いてるから雷蔵のときのためにちゃんと泣けるのか心配だった。
それでもお前だけは泣かなかったな。俺はお前が一番ぐちゃぐちゃに泣くのかと思ってたけど、それでいい、お前が泣いてるのを見たら俺はきっと耐えられないから。だってもう俺の声はお前には届かないのに。


星がよく見える夜にお前は空に向かってはじめて泣いた。俺に向かって泣いた。そんなに泣いたってもう俺は返せないよ、一方通行なんだ、俺だってこんなにもお前への気持ちで溢れてるのに叫んでるのに、お前は気づかないんだ。
俺はもう星になっちゃったから、それでもお前の気持ちには応えたいから、ずっと平行線なんて嫌だからお前の願いを言ってよ。星に願って。お前への気持ちを星に変えて照らすから、ハチ。

「次は、ずっと一緒にいような」









「おーい、兵助!」

「おう、今日はよく見えるな」

「近年で一番光ってるらしいぜ」

「綺麗だな」

「そうだな」









11.0324

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