※10年後




「あなたはまだこんな所に住んでいるのですか?」

それ、一昨日も聞いたよ、と言いながら綱吉はたいして眠たくもなかったが反射的に眠そうに目を擦りながらベッドから起き上がる。


「まあ僕としてはあなたが実家住まいだと忍び込みやすくていいんですが。ボンゴレ10代目ボスともあろう方が不用心ですねえ」

骸はふわりとベッドの足下へ腰を下ろす。10年も経てば身長も伸びたので何年か前に買い替えたベッドは骸が座るくらいのスペースはあった。

「母さんと一緒に過ごせる間はできるだけ一緒にいたいんだよ」

そんなもんですかねえ、ととくに興味なさそうに骸は返事をする。


「まあ僕の幻術をもってすればあなたが実家住まいだろうがアジトにいようがたいして変わりませんが」

「幻術なんて使わなくても普通に入れるだろ。守護者なんだから。」


骸は大概昼間には現れない。夜に綱吉の寝室にのみ現れた。夜の闇に紛れるようにその群青の髪を靡かせながら。

「いつも、もう会えないんじゃないか、って思う」

なら、縛ってしまえばよいのですよ。と骸は愛しげに侘びしげに綱吉に微笑んで、縛られるのには慣れてますし、と呟いた。



綱吉はそっとキスをした。
少し、唇を噛んでやった。




ヴォナセーラ

夜分遅くに失礼します






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後輩の柚雨に相互記念に。
束縛してほしい骸、縛り付けることができない綱吉。
10.1007

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