首に腕を回して、と言われたので素直に従い、アルフレッドのあぐらの上に座って身体を近づける。ふたつの性器が擦れてブルリと身体を震わした。

「かきっこしてていいよ。俺はこっちするから」

そう言うなりその節くれだった指を、アーサーすら触れたことのない後孔に突っ込まれてもう何が何やら分からなかった。ただ背徳的で、それでも自身が萎える気配はない。

後ろの違和感と戦いながら互いのいきり立った性器を片手で掴んで、目眩がした。浮かされるように擦りあげる。うわ。

「きもちいいの?」

噛み締めすぎて歯が痛い。気を抜けば歯が震えてガチガチ音を出す。こんなのは知らない。知らないのは怖い。

でも文句なく、最高に、気持ちいい。

「後ろも弛くなったぞ。…ほら、歯噛みしめない」
「ふぐっ、」
「顔、とろけてる。こんなの女の子とはできないね」

何もかも、隠していたことも口走ってしまいそうで強く歯を噛み締めるが、厚い指が邪魔をする。アルフレッドがいやらしく笑った。

気づけば違和感は消え、ぐちゃぐちゃクリームが出す水音ばかりが部屋に満ちる。
こする手が止まらない。太い血管同士が擦れる快感だったり、その熱さだったり固さだったり、何もかもに夢中になる。


「君みたいなエロ魔王に付き合えるのは俺くらいだぞ、本当」
「あっ」
「大丈夫。もっとイイことしたげる」


そう言って腰を掴まれて上に持ち上げられる。
嫌な予感がした。


「やだ、まっ…っあぁあ!」
「きつ、」


重力と一緒に勢いよく貫かれ、圧倒的な質量に身体の中が悲鳴を上げる。真ん中から裂かれそうだ。

「はぁ、」
「…っ…うっ、あぅ…」
「大丈夫かい?痛い?」
「ある、アル」
「ちょっと待ってあげるから、泣き止むんだぞ」
「アル、アルフレッド」

ぼろぼろ泣きながら抱きしめると背中を優しく叩かれて、気が遠くなるほど愛しくてもう言葉は止まらなかった。


「おれにしとけよ」


頭をすり寄せる。


「本命なんかよりずっと愛してやるから、おれにしろよ。お前好みの恋人になるから、がんばるから、なあ、おれにしろよ、してよ、…たのむ、から」


とうに脱げていたバスローブが肘で止まっていてふたりの汗のかいた肌が合わさる。何て自分は重いんだろう。女々しくて、醜い。

けれど、歪んだ自嘲の笑みは中にアルフレッドが入ったまま押し倒されて崩れる。


アルフレッドが泣いている。顔を真っ赤にして、眉を寄せて。


「君って本当バカだ、救いようがないくらいバカ!」
「ぁあっ!?ふぁ、ア!」
「俺が、いくら好きな子に顔が似てるからって、試しに男と寝たりするもんか!」
「ちょ、ア…ル、待て!」
「あれだけ優しくしたのに君が本命って気づかないなんて心外だ。思い知ればいいよ、俺がどれだけ君を愛してるか」
「愛し、…え、愛…あ、あぁ、ちょ、ほんと待、て!」
「だーから、待たないってば!」


それからはガツガツと、それはもう獣のように犯されてアーサーはすぐに呆気なく果てる。けれどもちろんキレたアルフレッドがそこで離すはずがなく、文字通りアーサーはその晩精も根も尽き果てることとなった。
ただ翌朝隣には自分を抱きしめて眠るアルフレッドがいて、それが嬉しすぎて昨日の所業を許してしまったのは余談である。








「またトリップかい」
「っぎゃあ!」

デジャブだ。大学のベンチで今日もぼんやりしていたのだが、冷たい缶に悲鳴を上げた俺を見てアルフレッドが笑う。

「まぬけ」
「何なんだよお前!」

そのまま当たり前みたいに隣に座るので睨む。
この距離も慣れたものだ。ベンチには容赦ない陽が降り注いでいる。
夏なのに馬鹿みたいに寄り添っているものだから、暑さは増す。


「あーあ。君は今日もつまんないけど、そういうとこも好きだぞ!」
「…一言多い」


繋いだ手は熱くて汗を呼ぶけれど、これでいいと思った。




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≫肉谷さん
はじめまして!&リクエストありがとうございましたっ!
リク内容は「英が米には別に好きな人がいると勘違い(すれ違い?)→勘違いした英もされた米も泣いてしまう→仲直り」とのことだったんですが…あれれ?なんか違うぞ^q^書き直し受け付けます。無駄に長くなっちゃってすいません><あと私の米英が読みたいだけと言っていただけたときなんか頭パーンした気がします。ありがたや。
センターまであまり日数なくて大変でしょうが、がんばってください!応援してますっ\(^^)/










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