今日の占いで水瓶座は最下位だった。ただそれだけのこと、普段なら気にもしないのに、今日この瞬間だけは脳裏にそれが過った。ジャンケン一人負け、ゴミ捨てを押し付けられて狩屋は思い切り顔を顰める。どんな顔をしても何度溜め息を吐いても他の掃除当番はじゃあ狩屋よろしくねと笑顔で荷物を抱え去ったばかり。このままここに放置したところで翌日担任に叱られるのも面倒だ。狩屋は決意するとゴミ箱からゴミの詰まった袋を取り出して口を閉めた。教室を掃いた後の埃だけでなくペットボトルやジュースの紙パック、昼食の生ゴミまで入り乱れたゴミ袋は鼻が曲がりそうな臭いがして狩屋は大嫌いだった。
なんとかあまり触れないように持ち運び焼却炉まで置いてきたが、なんとなく手を洗いたくなって近くの水道の蛇口を捻る。指先まで擦り合わせ水気を散らして。ズボンのポケットに手を入れようとして、違和感に気付く。

(あ、タオル)


「ほらよ」

声がした方に振り返れば、普段と全く変わらぬ無愛想な表情をした剣城が立っていた。その手にはつんと尖った髪と同じ、紺色のハンカチが握られていて。狩屋は数度瞬きを繰り返していたが、再度ハンカチを突き付ける剣城に押される形でそれを受け取った。

「あり、がと、剣城くん」
「フン」

顔を背ける剣城に水道を使う様子はなく、ただ狩屋にそれを押し付けるためだけに立ち寄ったようだった。他人など興味がないといった表情でいるくせに。自分とは真逆なその表裏がなんだか少しおかしくて、狩屋は苦笑いをする。
それに気付いてこちらを向いた剣城に再度礼を言い、そのままで良いと言われたハンカチを丁寧に折り畳んで返した。紺のハンカチは狩屋の水を吸ったせいか少々黒ずんで見えた。



【滲んだ1ページ】

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七夢さまリクの京マサ…京マサ?微妙な距離ですねすみませんこれからきっと京マサになります((
抽象文ぽくなりました、書いてる分には面白くて好きです
水瓶座は完全に捏造ですすみません