short story | ナノ


▼ 愛の物語

「おばーちゃん。メンフィスおうさまとナナシおうひさまのおはなしして」

「あらあら、ナナシは本当にメンフィス王と王妃様のお話が好きね」

「うん!わたしとおなじなまえのおうひまだよ!!」

「ふふ、そうね…あなたと同じお名前ね」

「ねぇ、おなしして?」

「えぇ。ナナシはちゃんとお布団に入って」

「はいったよ!!」

「それじゃあ、お話ししましょうね















このお話はある王様と王妃様のお話・・・・・


昔々・・・今から3000年も昔」





















今から3000年も昔 エジプトが王(ファラオ)によって治められていた時代



エジプトには

若くして王になられたお美しき王様と
そんな王様をずっとそばで支え続けた王妃様がいました




お話は2人の出会いは王様が王子様のときからはじまります



王様は王位につかれるまえエジプトの凛々しく美しい王子様として有名でした

そんな王子様は愛を知りませんでした



そんな王子様はある日1人の少女と出会い惹かれ恋を知りましたそれが後の王妃様でした
その少女はエジプト人とは違う艶やかな黒髪と黒い瞳そして象牙色の肌を持つ心優しい方でした





しかし少女は王子様が自分に惹かれているのを知ると身分の差からか近づいてはならないと思ったのか王子様を避けるようになりました




王子様は長い黒髪で美しく凛々しい方でしたが火のように激しい気性と勇猛果敢さで、残忍で冷酷な切れ者として名を知られまた、とても嫉妬深い方でした


王子様は自分から少女が離れることを許しませんでした




しかし王子様に惹かれている方がいました
王子様の姉君です。
姉君は王子様が少女に惹かれていることを知ると少女を王子様に近づけてはならない
ならば近づけないために殺してしまおうと決心しました



王子様は姉君をとても信頼し姉君には少女のことを包み隠さずはなしていたため姉君は少女がどの娘を指すのかすぐにつけ止めてしまいました



少女は姉君が自分を憎んでいることにすぐに気がつきました
少女は絶対に王子様に近づいてはいけないと改めて決意しました
しかし王子様はそれを許さず街にいたところを兵に命令し捕らえさせ自分の部屋に閉じ込めてしまいました


少女はずっと帰して欲しいと王子様に言いましたが王子様は帰してくれませんでした
それどころか王子様は父上である王様に少女と結婚したいといい少女と結婚できないのであれば自分は誰とも結婚せず死んでやるとまで言ったのです


王様は悩みました。
どこの娘かもわからない異国の娘を次期王となる王子様のただ1人の妻にするということは少女がエジプトの王妃となるからです。
王様は側近である宰相に相談しました
宰相は王子様がそこまで望むならば致し方ないのでは・・・・と王様に言いました
宰相の言葉を聞いた王様は王子様と少女を結婚させることを決意しました


しかし王子様と少女の結婚を姉君が許すはずがありませんでした。
姉君は少女を何度も殺そうとしましたが全て失敗に終わってしまい等々結婚の儀式の日を迎えてしまいました
少女は結婚の儀式のことを聞かされていなかったので大変驚き王子様に儀式をやめて欲しいと何度も言いました。
しかし王子様は少女の言葉を無視し儀式をやり終えてしまい少女は王子様の妃となってしまったのです。


少女は毎日泣きました。
自分は妃になどなりたくなかったと・・・
王子様は少女が自分を愛してくれないことに腹を立てていました。
夫婦となれば少女は自分を愛してくれると思ったのに自分を愛してくれない少女に・・・


そんなある日
王様が新しい王妃様を迎えることになりました。
王様は若い王妃様に夢中になってしまいました。
もちろん宰相たちはそんな王妃様を警戒しました。
そして恐れていたことが起きてしまいました。
1つ目は若い王妃様が美しい王子様に惹かれてしまったのです。
2つ目は宰相たちが睨んだ通り王妃様の母国の商人が多数エジプトに来るようになりました。


そしてもっとも恐れていたことが起きてしまいました。
それは王子様の父上である王様が暗殺されたのです。
暗殺した犯人を王子様は王妃様だと睨んでおり王妃様にはもう母国へ帰るように言いました。
しかし王妃様はそれを拒否しました。
がある日いきなり王妃様が母国へ帰ると言い出したのです。
それには王子様も驚きました。


王妃様には狙いがあったのです。
それは王子様を殺し自分も死ぬことでした。
王妃様はワインに毒を入れそれを怪しんだ王子様にならば自分が先に飲むといい飲みました。
王子様はそれで警戒をときワインを飲んでしまったのです。
ワインを飲んだことで王妃様は死に
王子様は生死の境を彷徨いました。
少女はそんな王子様を見て自分の気持ちに気づきました。


それは王子様を自分が愛しているということです。
少女は苦しむ王子様の看護を寝ずに続けました。
そして少女の看護の甲斐もあり王子様は回復し目を覚ましました。
王子様は自分を見て泣いている少女をさらに愛おしむようになり自分が王になったとしても絶対に他の女性を妻には迎えないと少女に約束し少女もそんな王子様のために自分も出来る限りの事をして王子様を支えようと心に決めました。


王子様は戴冠式を迎え王となり
少女も宰相などの後押しもあり王妃となりました。


しかし幸せな日々は続きませんでした。


王様が違う少女を好きになってしまったのです。
その少女は金色の髪に青い瞳を持つ少女でした。
国民たちも少女をナイルの娘と呼び
王の妃に最も相応しいというようになりました。


王妃様は悲しみ毎日涙する日々がまた続きました。
自分だけを愛すると言った王様が違う少女を好きになってしまった。
ならば自分は不要なのではないかと・・・・・


王妃様は王様が少女を愛おしそうに見ているのを見てしまいました。
そこで王妃様は決心しました。
王様の側にいるべきは自分ではないと・・・
決心した王妃様はエジプトを出ることを決心しエジプトを出てしまいました


王妃様がエジプトを出た次の日
王様は王妃様に久しぶりに会うため王妃様の部屋へ行きました。
しかし其処に王妃様の姿はなく
王様は庭に出ていると思い後でくることにしました。
時間を置いて王様が訪ねても王妃様はいませんでした。


王様は不思議に思いましたが少女を好きになっていたため気にもとめませんでした


エジプトを出た王妃様は色々な国を転々とすることにしました。
もちろん女性のひとり旅は危険でしたが王妃様にはそんなことを気にする気力すらありませんでした。


王妃様は最初にバビロニアに行くことにしました。
バビロニアに行った王妃様は視察していた王に出会いました。
王妃様は怪我した子どもを自分の服がちで汚れることも気にせず治療をしました。
それを見ていたバビロニアの王に気に入られたのです。
王妃様は自分がエジプトの王妃であることを話しませんでした。
なぜならもう王様が愛しているのが自分ではなかったからです。
バビロニアの王は心優しいく強い意志を瞳に灯しながらも心が弱っている王妃様に惹かれていきました。
もちろん王妃様はバビロニアにずっといるつもりはありませんでしたので王たちが寝静まった夜中にバビロニアを出ました。



王妃様は次にアッシリアに行くことにしました。
しかしアッシリアに行く途中で王妃様は体調を崩してしまいました。
王妃様はヒッタイトの商人に助けられました。
ヒッタイトの商人はヒッタイトへ帰る途中でしたので王妃様をヒッタイトへ連れて帰りました。
ヒッタイトへ連れて行かれた王妃様はヒッタイトの宮殿にいる医師に診てもらうことになりました。
なぜ宮殿にかというと王妃様を助けた商人は実は商人に扮したヒッタイトの王子だったのです。
医師に診てもらった王妃様は医師の言葉に驚きました。
なぜなら医師は王妃様が身籠っていると言ったのです。

王妃様は悩みました。
身篭った子供は確実にエジプト王の子供だからです。
ですが王様は王妃様より少女を愛していましたから王妃様はエジプトには帰らずヒッタイトで子供を産むことを決めました。
ヒッタイトの王子は子供の父親に言わな来ていいのか?と聞きましたが王妃様は言わないことを貫きました。
王子は1人で子供は育てて行くことを決めた王妃様を自分の妻とすれば1人で背負わないだろうと思い妃にしようと思いましたが王妃様はそれを愛してもいない人のために自分を犠牲にする必要はないと拒否しました。


そんなある日
ヒッタイトの王子はエジプトへ出かけました。
王子が帰って来た時王子は王妃様がエジプトを離れるきっかけとなった少女を連れていました。
王妃様は大変驚きました。
王様が愛している少女を連れて来た王子を王様が許すはずがないとわかっていたからです。
案の定、王様はヒッタイトと戦をしてでも少女を取り返すためやって来ました
ヒッタイトの海岸は戦場と化しました。
王妃様は心を痛めました。
自分が愛する人がいるエジプトと自分を救ってくれたヒッタイトの戦いに


王妃様は戦場と化した海岸に王子に連れたられた少女がいることに気がつきました。
あのままでは少女が死んでしまうと思った王妃様は海岸へ向かって走り出しました。
海岸に辿り着いた王妃様の目に映ったものそれは自分を救ってくれた王子が王様が愛する少女を斬ろうとしているところでした。
王妃様は咄嗟に少女を庇うため走り出し少女を庇いました。
王様と王子。そしてその場にいた兵士たちは驚きました。
エジプトは行方不明になった王妃様がいることに
ヒッタイトは子どもを身篭っている女性が少女を庇い王子によって斬られたことに


王妃様はその場に倒れてしまいました。
それを助けたのは・・・・・













ヒッタイトの王子でした。
王様は王妃様を取り返そうとしましたが崖が崩れ戦場と化した海岸に降って来たため少女だけを連れて避難しました。


エジプトの船に戻った王様は少女を兵に渡した後1人で部屋にこもり考えました。
なぜ王妃様がヒッタイトにいたのか。
王様は何日同じように部屋を訪ねてもいない王妃様を探すように兵に命じました。
女官にも話を聞きましたが誰も知らないとのことで王妃様は一向に見つからなかったのです。
王様はやはり女官たちは知っているはずだと思いエジプトに帰り次第拷問をしてでも聞き出すことを決めました。
もう、王様の中には王妃様のことしかありませんでした。



少女を庇い王子に斬られた王妃様は生死の境をさまよっていました。
王子はなんとしてでも王妃様を救うよう命じました。
王子は自分の身など気にせず少女を庇った王妃様に惹かれていきました。
医師の賢明の処置の甲斐あり王妃様の命は助かりましたが王妃様は流産してしまいました。


目を覚ました王妃様にそのことを王子は伝えられないでいました。
しかし王妃様は悟ってしまいました。
王妃様は子供がいないならヒッタイトにいる必要はないと思いヒッタイトを誰にもバレずに出ることに成功しました。



ヒッタイトを出た王妃様がどのようにして帰ったのかは記述されていません。

しかし王妃様はエジプトへ
愛する王様のもとへ戻ります





しかし噂の1つとしてナイルから戻ったとの噂がありますがただの噂に過ぎませんので信じないで下さい・・・・




エジプトへ戻った王妃様は王妃様を裏切ってしまったことを後悔した王様を許し


もう絶対に王妃様しか愛さないと決めた王様に生涯愛され続け王様がなくなっ10日後に後を追うように深い永遠の眠りにつきましたとさ・・・



あぁ、余談ではありますが王妃様はこの時代には存在しなかったはずの桔梗の花を布で作ったものを王様のミイラに供え
王様もこの時代にはない赤い薔薇を布で作ったものを王妃様に渡しそれを王妃様は自分が死した時ミライに供えるよう女官に言ったそうです








なぜ知っているのか?
それはお2人が互いに残したヒエログリフにあったからです




ー 愛しいメンフィス王あなたが永遠の眠りにつこうとも私の想いが変わることがないとこの花に誓いましょう あなたの王妃より ー


ー 愛する王妃 そなたは私ただ1人の愛する者 美しき我が王妃 共に永遠の眠りにつこうともこの想いは変わらない ー




これがエジプト・・・
世界に語られる王と王妃の愛の物語



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