▼ 036
結婚式当日
ミィシェーレの首都クリステンの街は華やかに飾り付けがされ街には大勢の人がいた
式はミィシェーレ王国一の聖堂であるクレモント大聖堂で式は行われた
エリザベートとフェルゼンが大聖堂から出ると国民たちの大歓声と拍手が響き渡る
シフォン生地を使った柔らかい印象を与えるドレスを着た美しく気高い未来の女王と
真っ白のミィシェーレの軍服にマントを付けた凛々しく聡明な未来の王配にミィシェーレの国民たちは歓喜した
「エリザベート様ー!!」
「ハンス様ー!!」
「エリザベート様、ハンス様おめでとうございます!!」
「ミィシェーレ王国バンザーイ!!」
「未来の女王陛下夫婦バンザーイ!!」
エリザベートとフェルゼンは笑顔で手を振る
王妃がエリザベートにセシリアを渡すと国民の歓声はさらにました
「セシリア様!」
「セシリア王女さまー!!」
初めて国民たちに公開されたセシリアに大歓声がまたも響き渡る
そんな中、国王がフェルゼンの横に立つ
その瞬間今までの大歓声がなくなり静かになった
「今ここで私は宣言する!!セシリア王女が5歳になる年に私は退位しエリザベート王女をミィシェーレ王国の新たなる君主とする!!」
その瞬間今までにないくらいの大歓声と偉大なる王の退位の宣言を惜しむ声が響き渡る
「セシリア王女が5歳になる間に私はこのミィシェーレをより素晴らしい国にしてからエリザベート王女に王位を継承したい。よって来年からは国民の代表者を議会に参加させミィシェーレをより発展をさせることをここに誓う!!」
エリザベートとフェルゼンの結婚式は国民たちに3つの喜びを与えその後1週間お祭り騒ぎとなるのであった───
1つ目の喜びはミィシェーレの美しく気高い未来の女王陛下夫婦の誕生
2つ目の喜びはそんな夫婦の第一子である王女が公開されたこと
3つ目の喜びは国王陛下が議会に国民の代表者を議会に参加させるとしたこと
ミィーシュレは今まで国民の代表─── 一般のものを議会に召集していなかった
だが国民は誰1人暴動などを起こさなかった。
なぜなら歴代君主がしっかり国民のことを考え国民に重い税金などかさずむしろ他の国で考えたら少し裕福位な生活だったから。
王はさらに国を発展させるため国民の代表を召集することにした───
「エリザベート、セシリアはどこに?」
『ふふ、セシリアは今ロザリーとシャルロットとソフィア一緒にいるわ』
「3人と?」
『えぇ。3人ともセシリアを妹のように可愛がってくれてるからセシリアも嬉しそうにしてたわ』
あなたの妹のソフィアもとても優しい子だし
ロザリーとシャルロットも姉妹が増えたみたいと喜んでいたわと微笑みながらハンスに言うとハンスも嬉しそうに笑った
2人きりの今が伝えるときだと思い私はハンスへ話すため口を開いた
『私フランスにもう一度行くわ』
「エリザベート!?」
このことはさすがのハンスも想像していなかったのか驚いていた
『私もマリーも逃げたままではいけないもの』
「しかし・・・・・・」
『それにロザリー達ももう帰国しなければいけないわ・・・』
「セシリアは?」
『できることなら連れて行きたいわ。──勝手だということはわかっているのよ!でも・・・』
このままではいけないのよ
私もマリーも
ミィシェーレとフランスの国同士の関係に私たちのこの問題を持ち込む訳にはいかない
だからお父様から王位を継承する前に私はなんとかしなくてはいけないのだ
それが後継者───時期女王である私の責任だから
「わかった・・・まずは陛下にお話しよう」
『えぇ』
私たちは国王であるお父様のもとへ向かった
コンコン
『お父様。エリザベートです。入ってもよろしいでしょうか?』
「入りなさい」
『失礼いたします』
部屋の中にはお父様とお母様が上品なソファに座っていた
『お父様。お母様。お願いがあって参りました』
「願いとな?」
『はい。お父様お願いしますもう一度フランスに行かせてください』
エリザベートの言葉に王妃が声をあげる
「シシィ貴女はこの国の次期国王ですよ!?なんてことを言うのですか!!」
『お母様わかっています。次期国王として学ばなければならないこともまだ沢山あります。でももう一度あと一度だけでいいんです』
「セシリアはどうするのです!!」
『連れて行きます』
「シシィ!!あなたもハンスも黙ってないでこの子を止めてください!!!絶対になりません!陛下が許そうとも私が許しません!!」
『お母様!!』
「王妃様」
『ハンス・・・』
私が不安そうな顔でハンスを見るとハンスは優しく微笑み返した後お母様の方を見た
「王妃・・・私も最初は反対しました」
「ならッ」
「ですがエリザベートのこの国の王となった時にフランス王妃様との問題を持ち込みたくないから関係を修復したいという気持ちを尊重したいと思いました」
「ハンス・・・確かにこれから先2人の関係が悪くなるのは避けるべきでしょう・・・ですが・・・」
『お母様、私はもう大丈夫です。前の私ではありません。私も母になりました、前の弱い私ではありません』
「シシィ・・・」
『お父様、お母様・・・どうか、どうかお願いします』
「わかった」
「あなた!」
『ありがとうございます!』
「だが条件があるぞ?まずはセシリアが4歳になる歳までに戻ること。ふたつめは無理をしないこと。そして無事帰ってくること」
『はいお父様。必ずお約束は守ります』
エリザベートはフェルゼンに腰を抱かれて部屋を出て行くのであった
───フランス
子を身篭ったアントワネットはエリザベートが出産したのと同じ年1778年12月19日
全国民全宮廷の期待も虚しく王女を出産した
第1王女マリー・テレーズ・シャルロット・ド・フランス
アントワネットが最も敬愛したオーストリアの母 マリア・テレジアの名をそのままフランス語に変えたものである
「王后陛下・・・宝石商のベメールから参っております・・・」
マリー・テレーズを出産してしばらく経ったある日のこと
「王后陛下おりいってお話が・・・実は素晴らしいダイヤモンドの首飾りが手元にございますのですが・・・」
「ダイヤの首飾り?」
「実は前王のルイ15世陛下が愛妾のデュ・バリー夫人に贈るためにご注文なさったのですがあのように急にお亡くなりになったもので引き取り手がなくなって・・・」
宝石商のベメールが開けた箱の中には素晴らしいダイヤモンドの首飾りが光り輝いていた
「お・・・・・!!」
アントワネットはあまりの眩しさに目を閉じる
「なんて・・・なんて素晴らしい・・・!!」
手に持って首飾りを見たアントワネットは感嘆の声をあげた
「あんまりお値段が高いものでまだミィシェーレ王国には伺っていないのですが…どこの国の王室も相手にしてくれないのです。なにせ160万リーブル(約192億円)もしますので・・・」
「160万リーブル!?」
「いかがなもんでしょう王妃様・・・分割払いでも結構ですから・・・」
「ほっほ・・・とてもとても・・・わたくし、ダイヤはもういっぱい持っていますし。第一160万リーブルもあれば大砲を60門つんだ軍艦が2隻も買えますもの!」
このダイヤの首飾りこそ───
やがてマリー・アントワネットを恐ろしい悲劇の中へ突き落とす元凶になるなどとは
どうしてこの時考えることができただろうか───
prev / next