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ロザリーとシャルロットは無事エリザベートに着いていくことを許され
これからの生活に胸躍らせるのであった
ヨーロッパ中の令嬢たちの憧れの国であったミィシェーレ王国
ヨーロッパ一の強国であり最も平和な国───
そんなミィシェーレ王国に留学することができる令嬢は限られており
留学することができるのは王家が承認した選ばれし令嬢のみであった
ミィシェーレで学んだ令嬢は必ず素晴らしい淑女になると噂され
その噂どおりミィシェーレ王国留学経験を持つ令嬢は素晴らしい女性になり社交界でも注目の的になるのであった
そのミィシェーレに王女であり次期君主であるエリザベートの推薦で留学というかたちでついてくる事を許されたロザリー、シャルロットは注目の的になるのは当然のことであったが
それとは別に注目の的になる2人がいた
オスカルとアンドレである
2人はフランス国王にミィシェーレに護衛として見送ることを願いでたのである
もちろんそれだけでは注目の的になることはない
オスカルとアンドレが護衛となることを聞いたロザリーとシャルロットの願いでオスカルとアンドレはミィシェーレの防衛や軍のあり方などをまなぶ留学生としてミィシェーレに行くことになったのである
───ミィシェーレ王国
「エリザベート様!」
「エリザベートさまー!!」
「ハンスさまー!!」
「おかえりなさいエリザベート様!!」
国民の歓声がエリザベートとフェルゼンが乗っている馬車にかけられる
「#名前様、ハンス様バンザーイ!!」
「ご結婚おめでとうございます!!」
「ミィシェーレ王国バンザーイ!!」
国民の祝福の声が響き渡る
「エリザベート」
『私、幸せだわ。多くの人々に祝福されて』
「あぁ」
沢山の人が祝福をしてくれる
「エリザベートさまー!!」
「ハンスさまー!!」
「エリザベートさまー!!」
国民の歓声にエリザベートとフェルゼンは笑みを浮かべ国民に手を振る
「未来の女王陛下夫妻バンザーイ!!」
「ミィシェーレ王国バンザーイ!!」
ミィシェーレ王国バンザーイ!!
ミィシェーレ王国に栄光あれ!!
「エリザベート!!」
『お母様!!』
馬車から降り宮殿に入ると王妃であるエリザベートの母がエリザベート抱き締める
「あぁ・・・私の可愛い娘」
『お母様・・・』
「おかえりなさいシシィ」
『ッ・・・・・只今戻りました』
お母さんになるから泣かないと決めてたのに久しぶりに会ったお母様の優しさに泣きそうになってしまった
「結婚式はお腹が大きくなる前が良いかしら?それとも出産してからが良いかしら?あぁ、でも国民も楽しみにしているものね。早い方がきっと良いわ!ドレスはどうしましょうか」
お母様はそう早口で言ったあとハッとして口に手を当てた
「あ、ごめんなさい私ったら・・・」
『お母様ありがとうございます。ですが式はお腹の子にも見せてあげたいんです』
お腹に手を当てながら微笑む私の肩をハンスが抱いた
「王妃様私も同じ気持ちです。どうかお願いします・・・」
「わかりました式は出産してからにしましょう。国民もわかってくれるでしょう」
『お母様ありがとうございます』
「ありがとうございます」
「さ、あなた達がフランスから連れてきた留学生を紹介して頂戴」
『はい』
その後ロザリーとシャルロットにお母様は娘が増えたみたいで嬉しいわと喜び
オスカルとアンドレを紹介するとこんな綺麗な男の子初めて見たわ!あ、こちらの子は凛々しいわね!と喜んでいた
それから月日がたち11月22日
『ん”ッ・・・・』
「姫様もう少しです!!」
『ん”・・・・・ッ』
「んぎゃぁぁッ!!」
「お姉様、元気な王女様ですッ」
『ハァハァ』
「エリザベートッ」
『ハンス・・・・・』
「ありがとう」
『ふふ、お礼なんていらないわ』
「あぁ」
『ハンス、あの子の名前は決めてくれた・・・?』
ハンスは国王であるお父様に決めていただいた方がと言っていたけど私はハンスに決めてもらいたくてハンスにお願いをした
お父様は少し残念そうだったけど
「セシリアだ。聖セシリアからとった」
『セシリア・・・素敵な名前ね・・・きっと聖セシリアの守護の対象である音楽が得意な子になるわ。だってミィシェーレには素敵な音楽家が沢山いるんだもの・・・音楽に触れ合ってきっと───』
エリザベートは出産の疲れから静かに眠りにつくのであった
「エリザベート」
ベンチに座り庭園を眺めていたエリザベートにフェルゼンが声をかける
『ハンス』
「エリザベート体が冷えてしまう。それに眠っているセシリアももう起きる頃だ」
『そんな時間なのね』
私が少しでもゆっくりできるようにとロザリーとシャルロットは率先してセシリアを見ててくれるから本当に感謝してる
ハンスが心配した通り産後私は数日間眠ったままだったらしくお母様達にもロザリーとシャルロットに甘えるように言われて一日のうち午前中に1時間、午後に3時間ほど毎日2人に任せる時間を与えてくれているおかげで私もだいぶ体調がいい
「オスカルやロザリーも待ってる」
『待たせていたらロザリーとシャルロットに怒られてしまうわね』
「さ、行こう」
『えぇ』
ハンスのエスコートで宮殿に入っていく
「お姉様!!」
「姉様!!」
ロザリーとシャルロットが私の方に駆け寄ってきた
お母様や先生たちの指導の賜物なのか2人は貴族令嬢としてかなり成長した
『待たせてごめんなさい』
「いいんです!それより結婚式のお衣装を決めましょう!!」
「王妃様もお待ちなんです!!」
「さ、姉様!!」
『え、ロザリー、シャルロット早いわッ』
ドレス選びにはいい思い出がない
確かに式のドレスを決めるために私も必要かもしれないけど・・・
ああ、お母様がいるってことはばあやもいるわよね・・・
私は2人にバレないように小さくため息をついた
「エリザベート待っていたのよ!!」
『ごめんなさい。お母様…』
「さ、どんなドレスがいいかしら!!レースをふんだんに使う!?それとも豪華な刺繍をする?!あぁどうしましょう!!」
「王妃様!!お姉様にはふわふわしたカンジのものがいいと思います!!」
「いいえ王妃様!!姉様には豪華なものがいいと思います!!」
ばあやがいなくて意外に早く終わるかもと思ったのに
まさかロザリー達も同じタイプだっだなんて
「ハンス貴方はどう思いますか?」
「わ、私ですか?」
「えぇそうです」
「私は・・・・・」
そう言って横目で見たフェルゼンは答えた
「私は柔らかい印象のものがいいと思います。」
「シャルロットと同じですか・・・・・ですが結婚式ですよ?豪華なものがいいと思いませんか?」
お母様は少しハンスの答えに不満そうにしていた
「確かに豪華なものの方がいいかもしれが豪華な衣装は何戴冠式で着ることができます。結婚式はエリザベートにあったものを着せたいのです」
「わかりました。あなたとエリザベートの結婚式ですものね。ではハンスとシャルロットの意見を取り入れた柔らかい印象のドレスにしましょう。装飾品を豪華なものにすればいいですしね。さ、ロザリー、シャルロットあなた方の衣装も用意しましょうね」
そう言って王妃はロザリーとシャルロットを連れて部屋を出て行く
「エリザベートは豪華な衣装も似合うが柔らかい印象のものの方がいいだろ?」
『ふふ。さすが私の旦那様ね。私の好みをわかっているわ』
「君を愛してるからわかるんだ」
『そうね』
2人は微笑み合いそっとキスをするのであった・・・
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