Miracle of the rose | ナノ


▼ 034



その翌日


ミィシェーレ王国により

エリザベートとフェルゼンの結婚とエリザベートが次の・・・女王になることが発表されヨーロッパ全土に知れ渡る



エリザベートが結婚するということにエリザベートに憧れを抱いていたヨーロッパの女性達は喜び男性達はヨーロッパ一の美姫の結婚に嘆き悲しみショックの余り倒れるものまで出てきたがヨーロッパのどの国でも優しく美しいエリザベートの結婚を喜んだ
あの心優しい姫ならきっとミィシェーレは今より素晴らしい国となりヨーロッパも平和になるに違いないと喜んだーーーーー





中でもミィシェーレとベルサイユはお祭り騒ぎとなる・・・



ミィシェーレでは心優しい自国の姫の結婚を祝福し未来の女王に心躍らせた・・・

ベルサイユは美しいエリザベートと凛々しいフェルゼン…自分たちの憧れの存在である2人の結婚を祝福する貴族で賑わっていた・・・



発表がされてから1週間ーー


1週間の間エリザベートの体調が優れないためエリザベート達がベルサイユに行くことはなかった
そのためジャルジェ家にエリザベートとフェルゼン宛にお祝いの手紙が数多くのフランス貴族から送られてきていた・・・


しかしフェルゼンも##NAME1##も手紙に目に通すことはなかったーーー




「エリザベート・・・」


フェルゼンが心配そうにベッドに寝ているエリザベートを見つめる・・・
発表前から体調が悪かったエリザベート
そんな彼女がとうとう倒れたのである


「フェルゼン様お医者様が到着されました」


ばあやが連れてきた医師がエリザベートを診察すると深刻そうな声をあげた


「これは・・・」

「やはりどこか悪いのか」

「フェルゼン様これはいけません」

「!!!」


医師の言葉にフェルゼンはなぜ彼女ばかりと衝撃を受けた


「フェルゼン様、ミィシェーレ王国の国王様と王妃様方にもお知らせせねばなりません」

「エリザベートはどこが悪いんだ!!」

「フェルゼン伯落ち着いて下さい」

「エリザベートの命に関わることなのに落ち着いていられるわけがない!!」

「フェルゼン伯、エリザベート様はご病気ではなくご懐妊でございます」


医師の言葉にフェルゼンは固まった
今、この医者はなんと言った・・・?と


「フェルゼン伯?」

「か、懐妊?」

「はい。エリザベート様のお腹の中にはお二人のお子がいるのです」

「子供・・・」

「はい。ですからミィシェーレの方にもお知らせせねばなりません」

「それは勿論知らせる。しかし何故エリザベートは倒れたのだ」

「それは貧血でしょう」

「貧血・・・」

「はい。これからはご無理やストレスは禁物でございます」


医師の言葉にしっかり頷くフェルゼンを見て医師は部屋から去っていく


フェルゼンはベッドの横の椅子に座り眠っているエリザベートの手をとり握りしめた

「エリザベート・・・」


フェルゼンはエリザベートのお腹に自身の子供がいることに喜びを感じながらも4年前のあの事件から体が弱くなったエリザベートの負担にならないかが心配だった


『ん・・・・私・・・・・』

「エリザベート!」

『ハンス・・・』

「目が覚めてよかった!」


抱きしめてくれるハンスにまた心配をかけてしまったと申し訳なくなった
最近は体がだるかったりしていたし貧血気味だったから・・・


「倒れた理由は貧血らしい」

『貧血・・・』


やっぱり貧血だったのね・・・
それにしてもこの身体は日本人の時より弱めらしくハンスと出会ってからはさらにそれが酷くなってる
私を後継者と発表したけど本当に大丈夫なのかしら・・・と少し不安になった


「エリザベート」

『どうかしの?』

「君の・・・」

『私の?』

「君のお腹の中に…私達の子供がいるらしい」


ハンスの言葉に私は驚いた
だってまさか・・・いやおかしくはないけど
でもまだ式もあげてないのに


「エリザベート・・・」

『私のお腹の中に、貴方との子供が・・・』


まだ平べったいお腹に手を当てる
ハンスとの子が・・・
みんなに式もまだなのにって言われてしますかしら・・・

でも・・・そうだとしてもやっぱり


『ハンス、私とても嬉しいわ・・・貴方との子供がいるだなんてーーー私、夢を見ているのかしら・・・?』

「エリザベート・・・夢ではない・・・だが」

『ハンス?もしかして嬉しくなかった?』

「まさか!嬉しくないわけがない!!ただ子供がエリザベート体の負担にならないかが私は心配なんだ」

『ハンス・・・』

「君の身に何かあったらッ」


俯き自分の手を強く握りしめるハンスを私は抱きしめた


『私は貴方を置いていなくなったりしないわ・・・それにこの子はきっと生まれたがっているわ・・・だって私が無理をしていてもいなくならないでいてくれたのよ?私の負担にならないように頑張ってくれている強い子だもの・・・だからハンス。貴方が心配することなんて何もないわ』

「そうだな・・・」


そんなエリザベートにフェルゼンは優しく温かい笑みを浮かべるのであった




エリザベートの妊娠が発覚したその日
ベルサイユではアントワネットの妊娠が発覚しベルサイユはお祭り騒ぎとかしていた




「王妃様おめでとうございます!!」

「えぇ」


まわりは喜んでくれるがアントワネットは余り嬉しくなかった


「これでお生まれになられるのが王子様であればフランスは安泰ですわ!!」

「そうね・・・」


あぁ・・・私が身ごもりたかったのは陛下のお子ではなくフェルゼンのお子だったのに
でもそれは決して叶わぬ夢・・・

ヨーロッパ一の強国であるミィシェーレの次期君主であるシシィの夫であるフェルゼンと想い合うことは決して出来ない・・・

シシィを愛しているフェルゼンの想いを私に向けることは叶わぬ夢・・・
フェルゼンが彼女を裏切ることは決してない・・・

嘘の噂で私とフェルゼンが想いあっていると流せばミィシェーレは決して私を───フランスを許すことはない

あぁ、フェルゼンッ
私はこんなにも貴方を想っているのにッ


アントワネットは表面上は嬉しそうに夫であるルイ16世に報告し貴族の夫人達と会話するが心の中はフェルゼンへの想いでいっぱいだったのである───









このことを知る者は本人であるアントワネット以外知らないことである
今も・・・これからも・・・







次の日

ヨーロッパ中にアントワネットの妊娠が知れ渡り


遅れて3日後にエリザベートの妊娠がヨーロッパ中に知れ渡るのであった…



なぜエリザベートの妊娠が遅れて知れ渡ったか
それは───



ミィシェーレ王国の国王と王子達がエリザベートの妊娠に怒ったから

只でさえ結婚してしまって悲しかったのにまさか妊娠までしているとは・・・
言ってしまうと大人気ない嫉妬である
そんなミィシェーレ王国の王家の男達を王妃が黙らせてくれたことで発表することが出来たのだ





そんな嬉しいニュースが連日続いたことでヨーロッパ
特にミィシェーレとスウェーデンそしてフランスは賑わうのであった






エリザベートの妊娠が知れ渡った日
エリザベートとフェルゼンはエリザベートが安心して過ごせるようにとミィシェーレに帰るため準備をしていた


「エリザベート」

『ハンス』


フェルゼンがロザリーとシャルロットに抱きつかれたエリザベートに声をかけるとエリザベートは困ったような笑みを浮かべながらフェルゼンを見上げる


「お姉様私たちも連れて行ってくださいッ」

「姉様と離れるなんて嫌ですッ」


涙を流しながら悲願する2人を私は抱きしめた


『ロザリー、シャルロット。私もあなた達と離れたくないわ。でもフランスに帰ってくるのはいつになるかわからないの・・・』

「だったらよけい離れたくありませんッ」

『ロザリー』

「姉様といつまた会えるかわからないだなんてッ・・・・絶対に嫌ですッ」

「私も・・・・・お姉様と離れたくありませんッ」

『シャルロット・・・』


そんな私たちを見ていたハンスが私の肩に手を置いた


「2人の意思は固い。それにミィシェーレでの生活は2人にとっても勉強になる」

『だけど』

「ミィシェーレは令嬢たちの憧れの国だ。そんな国にどんな形であろうと入れるのは2人にとっても悪い話じゃない」

『・・・・わかったわ。でも、ポリニャック夫人には伝えた方が』

「もう伝えました!!」


ロザリーが言葉を遮って答えた

まさかロザリーにそんな行動力があったなんて・・・と私は少し驚いた
でも妹のように思っている2人と私も離れるのは寂しかったし


『───なら。一緒に行きましょう』



ロザリーとシャルロットはそんなエリザベートにより一層強く抱きつきフェルゼンはそんな3人を微笑ましく思うのであった・・・



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