Miracle of the rose | ナノ


▼ 031



シャルロットもジャルジェ家で過ごすようになって数日
私がティータイムの支度をしていると先ほど帰ってきたオスカルに呼ばれたはずのロザリーが抱きついてきた


『ロザリー?どうかしたの?』

「・・・・・・・・」


黙っているロザリーの頭を撫でるとシャルロットも抱きついてきた


「シシィお姉様ッ」

『シャルロットまで、2人ともどうしたの?』


2人が自分から抱きついて来るなんて滅多にないことだから私は嬉しいけどこの感じからして何かあったのだろう


「私ッ・・・王妃様がやっぱり嫌いですッ」


ロザリーがマリーのことを嫌いということはあの人に関係したことしかない


『ロザリー・・・』

「ハンス兄様はシシィ姉様の婚約者ですッ・・・親友の婚約者だと知っていながらッ」

『ありがとう・・・』


私からのお礼の言葉にロザリーは顔を上げる


『私とハンスのためにそこまで思ってくれて本当にありがとう』

「ッ・・・・・・」

『シャルロットもありがとう』

「お姉様ッ・・・」

『2人とも可愛い顔が台無しよ?さ、泣き止んでティータイムにしましょうね?』




コンコン


『はい』


ガチャ。部屋に入ってきたのはやっぱりハンスだった


「エリザベート」

『今からティータイムにしようと思っていたのよ』

「じゃあ、あと3人追加でもいいかい?」

『ふふ、勿論よ』


嬉しそうにハンスとアンドレがそして少し気まずそうにオスカルが入ってくる


『オスカル貴方はロザリーの横に』


まさか隣同士にされるとは思わなかったのか目を見開くオスカルとロザリーがまったく同じ顔をするか少し笑いそうになってしまった
多分オスカルはマリーを擁護したのだろう
そしてロザリーはそれを許せなかった


『ふふ、オスカル貴方がマリーを優先していかなければならないことはわかっているわ。そして貴方が心の中では私を案じてくれていることも』

「名前様・・・」



オスカルはいつも私に親切にしてくれる
それがただの親切心でないこともなんとなく気がついてる
でも私は彼の気持ちには応えることはできないから友人として接してきた



『オスカル。貴方にはオスカルという1人の友人として私たちの側にいて欲しいのよ。』


きっとオスカルが一番辛い立ち位置にいる
主人であるマリーに従わなければならないという気持ちと
友人である私たちのことを考えて彼はきっと苦しんでいる


『あなたが私たちを大切に思ってくれていることはわかっているわ。そして王家に使える者としての葛藤もわかっているつもりです』

「エリザベート様・・・」

『マリーにハンスを舞踏会に連れて来るようにでも言われたのでしょう』

「ッ・・・・・・」

『そのことに私が口を挟むことはないわ。行く行かないはハンスに任せるって決めているから』

「シシィお姉様はそれでいいのですか!?もしお兄様が行ったら王妃様がッ『シャルロット。大丈夫よ。私はハンスを信じているから』

「オスカル。私はアントワネット様に会うつもりはない。それを今王家に仕えるオスカル・フランソワ・ド・ジャルジェに伝える。そして友人であるオスカルに礼を言う。ありがとう・・・それから私達と会ってしまったばかりにお前を辛い立場に置いてしまってすまない・・・」

「フェルゼン・・・」

「オスカル様私達も舞踏会へはいきません」

「ロザリー・・・」


なるほど。ロザリーとシャルロットも舞踏会へ来るようにと言われたのね
そして私のことは呼ばなかった
だから2人はさっき抱きついてきたのね


『・・・オスカル。ロザリーやシャルロットも貴方が大好きなのよ?ただ、今は2人ともまだ不安定なの・・・だから2人が舞踏会に自分から出席して欲しいと思うまで待ってあげてちょうだい…』

「エリザベート様・・・かしこまりました。オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ・・・そう王妃様とポリニャック夫人に伝えます」

『お願いします。オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ』

「ロザリー、シャルロット・・・すまなかった。妹のようなお前たちに辛い思いをさせるとこだった・・・」

「私もシャルロットもオスカル様が王家に仕える方と知っていながらオスカル様に当たってしまってごめんなさい・・・」

「・・・・・・・」

『シャルロット』

「申し訳ありませんでした・・・・・でもッ、私王妃様を軽蔑することだけはやめませんッ」

『シャルロット・・・』


泣きながらシャルロットは抱きついてきた


「私ッ・・・お姉様とお兄様が大好きですッ…親友であるお姉様の婚約者を取ろうとするなんてッ・・・私は王妃様を許せませんッ」

『シャルロット、ありがとう・・・決して私とハンスが離れることはないわ。だからどうか、どうか・・・このフランスの王妃であるマリーを嫌いにはならないであげてね』

「お姉様ッ・・・・」

『・・・シャルロット、ロザリー。貴女達が舞踏会に行く時には私も舞踏会に出席するわ』

「「エリザベート様ッ!?」」

「エリザベート・・・・・」

『私には出席の資格はあるでしょ?それに私もマリーから何時までも逃げていては駄目だもの・・・可愛い妹達も心配だし・・・・さ、ティータイムにしましょうね』

「エリザベートッ」

『どうかしたのハンス?』

「舞踏会に出席するのは」

『ハンス。今言ったとうり何時までも私がベルサイユから遠ざかっていることは出来ないわ。私はミィシェーレの王女このフランスに来たのはフランスの舞踏会で社交性などを学ぶためです。だから私はロザリーとシャルロットが舞踏会に出席するときに私も出席し社交性などを学びます』

「エリザベート・・・」

『私は貴方を信じているわ。だから私が出席するときは貴方にパートナーとして出席して欲しいの』

「!!・・・・もちろん私は君の人生のパートナーだ。君がそう望むのら喜んでパートナーとして出席しよう」

『ありがとうハンス』




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