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流石にフェルゼンに抱き抱えさせたままにするわけにはいかないとフェルゼンに代わり抱き上げていたオスカルがシャルロットをロザリーのベッドに寝かせる
『オスカルありがとうございます。シャルロットの事は私とロザリーに任せてください』
「はい」
お仕事もあるオスカルにそう言って私たちは仕事に戻って行ったオスカルに代わりロザリーと共に部屋に残った
「エリザベート様・・・」
『ロザリー、シャルロットさんが目を覚ましたら貴女が姉であることを教えてあげるといいわ』
「でも・・・」
『確かに最初は戸惑うかもしれないけれどきっと喜ぶわ』
きっとこの子も寂しかったはずだから
ロザリーは「はい・・・」と答えキャルロットの額に滲んでいる汗を拭いてあげていた
ロザリーが触ったことで目が覚めたキャルロットはここがどこだかわからないのかまわりを見ていた
「シャルロット!!」
「ろざ、りーさ、ん・・・?」
「目が覚めて良かったわ!」
「ここ、は・・・?」
「ここはオスカル様のお屋敷よ」
「あ、わ、私ッ…」
『初めましてキャルロットさん。エリザベート・ミィシェーレと申します。貴方を助けたのはロザリーとここにはいませんがオスカルとハンスですわ』
「私ッ・・・」
私は泣きそうなシャルロットの手を握る
『シャルロットさん貴女は生きなければならないわ・・・だって、こんなにも貴女を思っているロザリーと怪我をしているのに貴女を助けようとしたオスカルがいのだから』
「あぁッ・・・ごめんなさいッ、ごめんなさいッ・・・」
シャルロットは手で顔を覆い泣いてしまった
『シャルロットさん、貴女は1人ではないわ。ロザリーがオスカルが、それに私やフェルゼンも貴女の味方よ・・・今は泣けばいいわ・・・泣いて思いを全て吐き出してしまいなさい・・・そうすれば少しは楽になるから』
シャルロットは声をあげて泣き続けた
まだ幼いなりに色々考え悩んでいたのだろう
そうでなければあんなことするはずないもの
私は釣られて泣き出してしまったロザリーとキャルロットの背中をさすってあげることしかできなかった
「エリザベート」
おもいっきり泣いてすっきりした様子の2人に紅茶を持ってくると部屋を出た私をハンスが呼び止めた
きっと心配で待っていたのだ
『ハンスずっとここにいたの?』
「いや、今来たばかりだ。シャルロット嬢のことだが暫くの間ジャルジェ家で預かることになった」
『ロザリーも喜ぶわね』
「あぁ」
『そうだわハンス。シャルロットさんにお会いしてあげて?』
「シャルロット嬢に?」
『えぇ。シャルロットさんが貴方にお礼を言いたいんですって』
「なら私も一緒に戻ろう」
『そうね。紅茶も準備できたし一緒に行きましょ』
紅茶をかわりにもてくれたハンスとともに部屋に戻るとロザリーとシャルロットは楽しそうに離していた
『ロザリー、シャルロットさん紅茶を持ってきたわ。お茶にしましょう?』
「はいッ」
「ありがとうございます…」
『それから…シャルロットさんお客様よ?』
「こんにちはシャルロット嬢」
「あ、フェルゼン伯・・・!!」
「怪我がなくてよかったです」
「あのッ助けてくださり本当にありがとうございます・・・!!フェルゼン伯がいらっしゃらなかったらお姉様とこうして話すことは出来ませんでしたッ」
シャルロットの言葉に私とハンスは目を見開いた
『ロザリーもしかして』
「はい。シャルロットに私が姉であることを話しました。ポリニャック夫人との間にあったことも全て・・・シャルロットは全て受け入れてくれました。シャルロットは・・・シャルロットは私の可愛い妹です」
『ロザリーッ』
私は思わずロザリーを抱きしめた
「エリザベート様・・・」
『よかったわ本当に・・・本当によかったッ・・・・・シャルロットさんが貴女の妹だとしたら私の妹でもあるわ・・・だって貴女は血が繋がっていなくても私の大切な妹だもの』
「エリザベート様ッ・・・」
シャルロットはそんな2人を羨ましそうに見た
『シャルロットさん・・・いいえシャルロット。貴女も血が繋がっていなくても大切な私の妹よ。これから暫くの間はジャルジェ家で預かるになったそうだから沢山お話ししましょうね』
「ッ・・・・・・・はいッ」
「エリザベート」
『ハンス私の大切な妹達よ?』
「では、私の妹でもあるな」
『そうね貴方の未来の妹達ね』
「ロザリーとシャルロットじょ…シャルロット。私を兄様と呼んでくるないか?」
『ハンス抜け駆けはいけないわ。ロザリー、シャルロット私のことも姉様と呼んでちょうだい?』
「「えっ!?」」
「エリザベート。シャルロットの場合はロザリーがいるんだ姉様とは呼びにくいだろう」
ハンスがいうことはもっともだ
ロザリーという実の姉がいるのだから
でもそれで諦める私ではない
『なら、シシィ姉様と呼んでちょうだい!これならロザリーと混ざらないでしょう?』
「あの、ですが・・・エリザベート様とフェルゼン伯をそのようにお呼びするのは」
戸惑うシャルロット
なら先に落とすはロザリーの方だ・・・と私はロザリーを見た
『ロザリー私を姉と呼んでくれるでしょ?』
「え?・・・・・あの、ですが」
『ロザリー、お願いよ・・・』
ロザリーにお願いするときは少し悲しそうにする
これをするとばあやとお母様最近はあとハンス以外はすぐに承諾してくれるのだ
「わ、わかりました!!・・・シシィ姉様!」
『嬉しいわッ』
ハンスより先に私を呼んでくれたことに私はハンスを一度見てからロザリーに抱きついた
結構負けず嫌いなところがあるハンスのことだから今は結構悔しいはず
と考えているとやっぱり悔しかったのかハンスはすぐにロザリーにお願いをした
「ロザリー私も兄と呼んでくれないか?」
「あ、えっと・・・フェルゼ「ハンス」・・・ハンス兄様・・・」
満足そうに笑みを浮かべるハンスを見てちょっとだけロザリーに可哀想なことをしてしまったとと思ったけどやっぱり呼んでもらえたのが嬉しくて私はロザリーには何も言わないことにした
私はロザリーから離れてシャルロットを見た
『さ、シャルロット。ロザリーは呼んでくれたわ・・・お願いよシャルロット』
「ッ・・・シシィお姉様・・・」
シャルロットもロザリーと同じくあの顔には弱いのかすぐに言ってくれた
『ロザリー、シャルロットあなた達のお姉様になれて嬉しいわ』
シャルロットを抱きしめる##NAME1##
「エリザベートばかりでなく私のことも呼んで欲しいな」
『ハンス。姉妹の時間を邪魔するのはよくないわ』
「私も兄のはずなんだが」
『兄より姉よ。ハンスはミィシェーレに帰ったらお兄様達とたくさんお話ししたらいいわ』
「兄と妹は違うさ」
『ハンスにはスウェーデンに妹さんがいるじゃない』
ちょっとした言い合いをする私とハンスに本気でないとわかっているロザリーは落ち着いてたけどシャルロットはオロオロしだしてしまった
いつものハンスなら乗らないはずなのに乗ってきたということはきっとシャルロットが呼ぶようにだ
「シシィお姉様もハンスお兄様もやめてください!お二人とも私のお姉様とお兄様です!!」
「だそうだ」
『シャルロットが言うなら仕方ないわね。ハンスも仲間に入れてあげるわ』
「光栄でございます王女様」
私の手にキスをしたハンスはやっぱり笑っていた
『さ、姉妹と未来のお兄様の4人でティータイムにしましょう?』
それから時間が許す限り私たちは4人でティータイムを楽しんだ
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