Miracle of the rose | ナノ


▼ 027



それから一カ月間
私はハンスやばあや、ロザリーに手伝ってもらいながらオスカルの世話をし続けた

ひと月も経つとオスカルは怪我をかばいながらではあるが宮殿にてでも大丈夫であろう所まで回復していた


『オスカル本当に大丈夫ですか?まだ怪我は癒てはないのですよ?』

「エリザベート様ご心配にはおよびません。オスカルはもう大丈夫です」

『ですが』

「アンドレとロザリーも共に宮殿に行くのだから心配ないさ」


それでももう少し療養した方がいいのではとオスカルを心配する私をハンスが安心させようとする


『・・・・・なら私も宮殿に行くわ』

「エリザベート!?」

「エリザベート様!?」


ベルサイユへ行くと言った私にオスカルとフェルゼンは驚いていた


『オスカル貴方が心配なのよ・・・もしまた命を狙われたら・・・』

「エリザベート様・・・」

「エリザベート、だが私は君が宮殿に行く方が心配だ」

『ハンス・・・』

「アントワネット様にお会いしてまた倒れたら私は・・・」


心配なんだというハンスの手を私は握る



『ハンス。心配してくれてありがとう』

「なら!」


そんなハンスに私は首を振る


『私だっていつまでもベルサイユへ出ないわけにはいかないのよ』

「だが今でなくとも」

『ハンス私が最後にベルサイユへ行ってからもうひと月以上経っているのよ』

「だがやはり心配なんだ。君がオスカルを心配するように私も君が」

『ハンス・・・』

「ずっと行かないでくれと言っているんじゃないんだ。後もう少しだけ宮殿へ行かないで欲しいんだ」


ハンスを説得するのは難しそうだ
ハンスには沢山迷惑もかけてしまっているし今回はハンスの言う通りにしよう



『そうね、オスカルにはロザリー達がついているものね』


私はオスカルへ自分は待っていることを伝えた


『オスカル・・・私はお屋敷でフェルゼンとお帰りを待っているわ。どうかお気をつけて・・・』

「はい。では、行ってまいります」


オスカルも私が残ることにホッとしたのかロザリーとアンドレを連れて馬車に乗った

私はハンスと共にオスカル達が乗る馬車を馬車が見えなくなるまで見つめていた











日もすっかりくれた頃オスカル達が宮殿から戻ってきた


『お帰りないオスカル、アンドレ、ロザリー』

「只今戻りました」


私は顔色が悪いロザリーがオスカルの後ろにいることに気がついた


『ロザリー?』

「は、はいっ」

『顔色が悪いわ。何かあったの?』

「い、いいえ・・・なにも・・・」


心配かけたくないのだと私は気がついた
ならまずはここから離れて2人きりになろう


『ロザリー私の部屋で紅茶でも飲みながらお話ししましょう?ね?』

「はい・・・」

『ハンス私は部屋に戻るわね?』

「あぁ、私もオスカルと話があるからそれが終わったら部屋に行く」

『えぇ・・・さ、ロザリー行きましょう』


ロザリーの肩を抱きながら部屋へいき

部屋に着いた私はカウチにロザリーを座らせロザリー達が帰って来る前に私とハンスの分としてばあやが準備してくれた紅茶をカップへ入れロザリーの前に置いた


『ロザリー何があったの?ここには私たちしかいないわ安心して話してちょうだい』


その言葉にロザリーはゆっくり口を開いた


「エリザベート様はシャルロットさんをご存知ですか・・・?」

『シャルロットさん?』

「ポリニャック夫人の娘です・・・」

『ああ。彼女のことね。お話したことは無いけれど知っているわ』

「そのシャルロットさんが結婚をされるそうで・・・私、彼女がとても悲しそうに見えて・・・それにあの子は本当はいい子な気がしてきてッ」

『ロザリー・・・』

「好きでもない方と結婚するだなんてシャルロットさんが可哀想ッ」


ロザリーの背中を撫でる


『ロザリーは優しいのね・・・』


貴族にとっては当たり前のことでも庶民である彼女には当たり前のことではないのだ

親しい訳でもない子のために泣けるロザリーは本当に優しい子だ



「エリザベートっ」

『あぁロザリー泣かないでちょうだい・・・』



その後ロザリーは私の膝に顔を埋め泣き続けた・・・

ロザリーが泣き疲れ膝に顔を埋めたまま寝てしまったところにハンスが来てロザリーに嫉妬してしまった話はまたの機会に・・・




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