▼ 025
ジャルジェ家に着くとばあやが出迎えてくれた
「姫様お早いお帰りでございましたね!!」
「ばあや、エリザベートを部屋へ」
「姫様参りましょう・・・」
ばあやに連れられて行く私を苦しそうハンスが見つめていたことに私は気が付かなかったに見つめる
エリザベート・・・
やはりまだベルサイユに行くのは早すぎたのか・・・あんなにも顔を真っ白になるまで無理をするなど・・・
私が無理に連れていことしたせいか・・・
「フェルゼン様、姫様がお呼びでございます」
「あぁ・・・すぐに行く」
フェルゼンが部屋へ行くとエリザベートはカウチに座っていた
「エリザベート」
『ハンス・・・』
「すまない・・・私が無理をさせたから・・・・・エリザベート当分ベルサイユへ行くのはやめよう」
ハンスは私の隣に座り手を握りながら言った
彼に自分を責めさせたくなんてなかったのに───
『ハンス、あなたのせいではないわ。私はジャルジェ家で暫くゆっくりしているわ。だから私のかわりに貴方だけはベルサイユへ行ってちょうだい』
「だが」
ハンスが言いたいことはわかってる
だから
『でも、少しの間だけは私の側にいて欲しいの』
「勿論いくらでも側にいる。君がベルサイユへ行けと言うまで」
そう言ったハンスに1週間くらいでいいのと私が言おうとしたその時バンッ!と大きな音を立ててドアが開きロザリーが泣きながら入って来た
『ロザリー?』
「エリザベート様!!エリザベート・・・さ、ま…あの女、あの女・・・母さんを殺して笑っていたあの女がいたんです!!なのに私何もできなかった!!エリザベート様私悔しいです…あの女を殺してしまいたい・・・!!」
『ロザリー・・・』
「オスカル何があったんだ・・・」
ロザリーの後から複雑そうな顔で入ってきたオスカルにハンスが問いかけた
「ロザリーの母親を殺した女が王妃様のお気に入りのポリニャック夫人だったのだ・・・」
それは・・・
まさかロザリーのお母様を殺したのがあのポリニャック夫人だなんて・・・
フランスへ来てから彼女の話は何度も聞いている
良くないことでだけど・・・
「!!!」
『ロザリー大丈夫よ・・・私たちがいるわ』
「エリザベート様・・・!!」
泣き崩れるロザリーを抱きしめた
暫く泣いて落ち着いたロザリーは私から少し離れて言った
「エリザベート様」
『どうしたのロザリー?』
「私・・・王妃様がみんなが噂している方とは違うと知りました・・・でも、でも私王妃様を好きにはなれません!!母さんを殺した女は王妃様に親しそうに話しかけていました!!私・・・あの女と仲がいい王妃様なんか嫌いです!それに、それにエリザベート様が苦しんでらっしゃるのは王妃様のせいでしょ!?」
「ロザリー!!」
そんなロザリーにオスカルが怒鳴る
いくらロザリーでも自分の主であるフランス王妃のマリーを侮辱されたことが許せなかったのだろう
「オスカル様は王妃様を美化しすぎです!!あの人フェルゼン様を愛おしそうに見ていました!!」
「ロザリー!!」
「フェルゼン様はエリザベート様の大切な方です!!私・・・王妃様なんか嫌いです!!」
『ロザリー・・・』
「オスカル。ロザリーが言うことはもっともだ・・・どのような理由からであろうと王室が腐敗していればいい国はつくられない」
「フェルゼン!!」
「オスカル、しっかり国を見てみろ!!今のフランス国民の大多数が貧しいではないか!!」
「フェルゼン!!」
『オスカル!ハンス!おやめなさい!!』
今にも殴り合いを始めそうなオスカルとフェルゼンをとめる
「エリザベート・・・」
「エリザベート様・・・」
『オスカル貴方の気持ちは分かります。ですがフェルゼンとロザリーが言っていることは正しいことです。今のフランスは腐敗しているわ・・・噂でですが王妃であるマリーがポリニャック夫人に乗せられ賭博をしていたと聞きました』
「そ、それは・・・」
オスカルが慌てるということは本当ということだろう
『賭博だなんて・・・王妃としての威厳が彼女にはありません!!マリーが親友だからこそ言うのです。あの子は何も知らなすぎる・・・このままではフランスは終わってしまいます』
「エリザベート様・・・」
『オスカル。あなたがフランス王室のことを思うのであればポリニャック夫人に権力を持たせてはなりません。それがこれからのフランスの為です』
私にできることはここまでよマリー
あなたは無知すぎた
王妃になるべくあなたは何をしたの?
日々遊び呆けていたの?
今のあなたを私は助けたいとは思えないわ
ハンスのことを抜きにしても───
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