Miracle of the rose | ナノ


▼ 024


ジャルジェ家で過ごすこと一月




「エリザベートベルサイユに行こうと思うんだが・・・」

『そう・・・私はいいわ・・・』

「エリザベート」

『私は行かないと言ったのよハンス』


ハンスが言いたいことはわかる
このひと月私はベルサイユ宮殿へ行ってもマリーとはろくに話さず滞在時間の最短記録を日々更新している状態
これではフランスへ来た意味がないということは私だってわかってはいるんだから

それでも行きたくないものは行きたくないのよ


「エリザベート・・・」

『そうだ。今日はロザリーも行くそうだからしっかり守ってあげてちょうだいね』

「エリザベート!!」

『私だってこれがダメなことなんてわかってるわよ!!でもマリーと貴方が話しているのを見るだけで動悸が激しくなって、息がし辛くなるのよ!!』

「エリザベート・・・」

『貴方を信じている!!でも、でもどうしてもマリーに会うことだけはできないのよ!!』


そんな私の叫びを聞いたハンスは言った


「エリザベート!!私とエリザベートが婚約をしたと時期に広まる。陛下からお手紙が届いて時期正式に発表をするとあった。だからもう苦しまなくて大丈夫だ・・・」

『ハンス・・・』

「もう苦しまなくて大丈夫なんだ」

『私・・・怖くてしかたないのよ!あなたが私を想っていたとしてもここはフランス。あの子の方がここでは力が上なんだもの・・・あなたがいないなんて私・・・』

「私もエリザベートが隣にいない人生なんてもう考えられないさ・・・・・・私達は互いに依存してしまっているな」





『・・・でも、嬉しいわ。貴方が私に依存してくれているなんて。・・・・・ハンス、私も一緒にベルサイユへ行くわ』

「エリザベート」

『貴方と一緒なら大丈夫だもの』



いつまでも逃げている訳にもいかない
これ以上逃げていては私は国の恥になってしまう
私はミィシェーレ王国の王女エリザベート・ミィシェーレ















「エリザベート・ミィシェーレ王女、ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン伯のおつきーぃ!!オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ大佐おつきーぃ!!」


オスカルがロザリーを
フェルゼンがエリザベートをエスコートして入ってくる


「まぁ!!奥様あそこをご覧あそばせあそこだけまるで絵のように輝いて・・・」

「本当に!!なんて美しい方たち!!」

「おきになって?エリザベート様とフェルゼン伯がご婚約されたそうよ?」

「まぁ!!それは本当なんですの!?」

「でも、フェルゼン伯といえば王妃様が・・・」

「国王陛下、王后陛下のおなりぃー!!」



フェルゼンを見つけ顔を赤くさせなが顔を背けるアントワネット




「ほら・・・王妃様のお気に入りの方だわ」

「でも、エリザベート様とご婚約されたのだとしたら・・・」

「まぁ・・王妃様には陛下がいらっしゃるから・・・」

「でもごらんになって。フェルゼン伯のエリザベート様を見つめるあの眼差し・・・」

「まぁ…あんなに優しい眼差しエリザベート様を愛していなかったら出来ませんわ」

「それにしても・・・エリザベート様4年前にお会いした時よりもお痩せになられたわ・・・」

「えぇ・・・只でさえ白い肌が真っ白だわ・・・」

「でも、そんなエリザベート様を気遣うように側についているフェルゼン伯・・・」

「「「「「素敵だわ・・・!!!」」」」」


貴婦人たちの声が重なった







夫人たちに噂話をされているなんて知らない私はハンス達と話をしていた


「エリザベート顔色が・・・」

『大丈夫よハンス。心配しないで』

「だが」

「エリザベート様
フェルゼン様の仰る通り顔色が良くありません・・・」

『ロザリー大丈夫よ。男性を待たせるのは良くないわ。さぁ、オスカルのところへ行ってらっしゃい・・・』

「はい・・・」


こちらを気にしながらもロザリーはオスカルの方へ駆けて行った

そんなロザリーを見送るとハンスは私をみんなから隠すように私の前に立った


「エリザベートやはり顔色が悪い・・・ジャルジェ家に戻ろう・・・」

『でも』

「君が倒れる方が辛い」

『ハンス・・・』

「さぁ、戻ろう・・・」

『えぇ・・・』




会場を出て行くフェルゼンの後ろ姿をポリニャック夫人に話しかけられているにもかかわらずアントワネットは見つめ続けた




prev / next

[ back to top ]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -