Miracle of the rose | ナノ


▼ 022

翌日


『大変お世話になりました』

「では、ベルサイユに参りましょう」

『えぇ』

「エリザベート本当に大丈夫な『ハンス・・・心配ないわ、本当よ』

「そうか・・・」


エリザベートが大丈夫か気になったフェルゼンであったがエリザベートの言葉を信じベルサイユ宮殿へと向かった










ベルサイユ宮殿


「ハンス・・・アクセル・・・フォン・・・・・フェルゼン・・・え、え!!知っています!!知っていますわ!!古い知り合いです!!あぁ!!本当にずっと前からの!!」



あ・・・ぁ!!
本当に・・・本当に!!
あぁ・・・フェルゼン!?
わかっていました・・・私にはわかっていました
貴方が私に黙って帰ってしまった時
確かに胸が苦しくなり毎日が辛かった・・・
でも貴方はこうして
私が思った通りフランスに戻ってきた!!
あぁ・・・フェルゼン・・・!!



アントワネットは歓喜した
だがアントワネットは忘れていた
フェルゼンがエリザベートの大切な愛しい人だという事を・・・・・


「フェルゼン伯お久しぶりね。またこうして会えて嬉しいわ」



フェルゼンへ向けてのみ話すアントワネットにエリザベートとフェルゼンは言葉を発することが出来なかった



マリー・・・貴女はハンスしか見えてないのね・・・
貴女はそこまでフェルゼンを愛してしまったのね・・・




アントワネット様・・・貴女は親友であるエリザベートに気がつかないのですか・・・?
貴女が私にそのような気持ちを抱いたせいでエリザベートは心にも体にも傷をおいました・・・
確かに貴女のせいではないかもしれない・・・
でも、私は貴女を許すことはないでしょう・・・
私自身のこともまた一生・・・・・



それに気がついたオスカルはアントワネットにエリザベートもいることを伝えた


「シシィ・・・」

『ひ、さしぶりね・・・マリー・・・』

「えぇ・・・・・」


前は会ったらあんなに嬉しそうにしてくれたのに・・・・・


『ごめんなさい・・・・・私体調がよくないから帰ります・・・・・』


顔を真っ青を通りこして真っ白にし
ヨロヨロしながら去ろうとするエリザベートをフェルゼンは支えた


「エリザベート1人では危ない。王后陛下私も失礼いたします」

「あッ!!」


アントワネットはフェルゼンヘ手を伸ばしたがその手がフェルゼンへ届くことはなかった



フェルゼンが行ってしまう!!
どうして私でなくエリザベートを選ぶの?
私はフランスの王妃
エリザベートよりも多くのものを持っているわ!!
なのにどうして・・・
どうして、フェルゼンは私から離れていくの?



宮殿を出ようと歩いていくフェルゼンをオスカルは追いかけた



「フェルゼン!!」

「オスカル」

「フェルゼン、ベルサイユにいる間はジャルジェ家にいるといい・・・」

「だが・・・」

「ロザリーがエリザベート様にお会いしたがっているんだ。我が屋敷なら母上もばあやも私やアンドレもいるから安心していられるだろう」

「オスカル・・・今回はオスカルの言葉に甘えよう・・・このままのエリザベートを1人残すのは心配だからな・・・」

「母上達も喜ぶ」



フェルゼンは自分だけでベルサイユ宮殿などへ行かなければならないであろうことを考えオスカルの提案をのむことにした

こうしてフェルゼン一行はジャルジェ家に世話になることとなった───





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